全米熱帯まぐろ類委員会(読み)ぜんべいねったいまぐろるいいいんかい(英語表記)Inter-American Tropical Tuna Commission

日本大百科全書(ニッポニカ)「全米熱帯まぐろ類委員会」の解説

全米熱帯まぐろ類委員会
ぜんべいねったいまぐろるいいいんかい
Inter-American Tropical Tuna Commission

東部太平洋におけるマグロ類の資源保護と持続的利用を目的とする国際機関(地域漁業管理機関)。略称IATTC。1950年に発効した「全米熱帯まぐろ類委員会の設置に関するアメリカ合衆国とコスタリカ共和国との間の条約Convention between the United States of America and the Republic of Costa Rica for the Establishment of an Inter-American Tropical Tuna Commission」に基づいて同年に発足した。マグロ類の資源管理をする国際機関のなかで、もっとも歴史が古い。マグロ類の漁獲量増加にあわせて、2010年には適用水域や取締り方法などを明文化した新条約(全米熱帯まぐろ類委員会強化条約、アンティグア条約)が発効した。事務局はアメリカのサンディエゴ市ラホヤ。おもにクロマグロ、キハダ、メバチ、ビンナガ、カツオを対象とし、科学的調査に基づき、総漁獲可能容量(TAC:Total Allowable Catch)、国・地域別の漁獲割当て、禁漁水域・期間の設定、資源回復のための保存管理措置を実施している。2022年3月時点の条約締約(加盟)国等は、日本、アメリカ、メキシコ、エクアドル、パナマ、グアテマラ、韓国、台湾、中国、ヨーロッパ連合(EU)など21。ボリビア、ホンジュラス、インドネシア、リベリア、チリが協力的非加盟国として参加している。日本の加盟(条約発効)は1970年(昭和45)。日本は同海域でクロマグロ漁はしておらず、キハダ、メバチ漁が中心である。

 太平洋クロマグロの激減をうけ、IATTCは中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)と共同で、2015年から厳しい国別漁獲規制を実施してきたが、資源回復が確認されたため、2020年から漁獲枠の増加に転じた。一方、メバチ、キハダについては、巻網漁業の規制が強化されている。なお、マグロ類は広い海域を回遊するため、IATTC、WCPFC、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT(アイキャット))、インド洋まぐろ類委員会(IOTC)、みなみまぐろ保存委員会(CCSBT)の5国際機関が資源管理にあたっている。

[矢野 武 2022年6月22日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「全米熱帯まぐろ類委員会」の解説

全米熱帯まぐろ類委員会
ぜんべいねったいまぐろるいいいんかい
Inter-American Tropical Tuna Commission; IATTC

アメリカとコスタリカが締結した IATTC条約に基づき 1950年に設立された委員会。本部はカリフォルニア州サンディエゴ。東太平洋におけるまぐろ類の資源を最大の持続的漁獲が可能となる水準に維持することを目的とし,漁獲量規制を勧告する。新規加盟国のうちメキシコやカナダなどは規制をめぐり脱退。 90年の時点で加盟国は,アメリカ,コスタリカ,パナマ,日本 (1970年加入) ,フランス,ニカラグアバヌアツの7ヵ国。

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デジタル大辞泉「全米熱帯まぐろ類委員会」の解説

ぜんべいねったいまぐろるい‐いいんかい〔‐ヰヰンクワイ〕【全米熱帯まぐろ類委員会】

東太平洋におけるカツオマグロ類の資源を持続的に利用するための地域漁業管理機関。規制区域における漁獲可能量TAC)や国別漁獲量の割り当て、漁獲・混獲の規制などを行う。1950年設立。IATTC(Inter-American Tropical Tuna Commission)。

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