( 1 )干すと堅くなるので「かたうお」と呼ばれていたのが、「かつお」に変化したという。「鰹」の字も、もと「堅魚」と書いていたものを、木工→杢、麻呂→麿のように一字化したもので、平安初期に例が見られる。
( 2 )古代からの重要な水産の食料であるが、鎌倉時代末ごろまでは高級な魚とはされていなかったらしい。「徒然草‐一一九」によると、今はもてはやしているが、昔は身分の高い人には出さなかったという。しかし「勝つ魚」の連想からとりわけ武家に縁起物として好まれ、江戸時代以降は、元祿期の俳人山口素堂の「目には青葉山ほととぎす初がつほ」〔俳・曠野‐一〕の句で広く知られているように、初物好きの江戸っ子にもてはやされただけでなく、初夏の風物詩として珍重されている。
(だいとう)なり」とあって、うなぎの類。わが国ではかつおの意に用いる。
字鏡〕鰹 伊加(いか) 〔和名抄〕鰹魚
語抄に云ふ、加豆乎(かつを)、式
に堅魚の二字を用ふ 〔名義抄〕鰹 カツヲ 〔字鏡〕鰹 カツヲ、伊加(いか)、魚の名なり 〔字鏡集〕鰹 カツヲ・ハラカ・オホカツヲ出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
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