精選版 日本国語大辞典 「八重葎」の意味・読み・例文・類語
やえ‐むぐら やへ‥【八重葎】
〘名〙
※万葉(8C後)一一・二八二四「思ふ人来むと知りせば八重六倉(やへむぐら)おほへる庭に珠敷かましを」
② アカネ科のつる性一年草または越年草。各地の原野、路傍にふつうに生える。高さ〇・六~一メートル。茎には四稜と逆向きのとげがある。葉は狭倒披針形で同形の托葉と六~八枚輪生する。葉と托葉の縁には逆刺、先端には刺毛がある。夏、葉腋から花柄が伸び、先の四裂した緑黄色の細花が咲く。果実は球形で黒く熟す。漢名は拉拉藤で、猪殃殃は慣用名。《季・夏》
※枕(10C終)六六「さしも草、やへむぐら、つき草、うつろひやすなるこそうたてあれ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報