律令制下,雑税として機能した国家による稲の貸借制度。諸国の郡衙に蓄えられた穎稲(えいとう)を,春・夏の2回強制的に貸し付け,秋の収穫後に5割(のちに3割に軽減)の利稲とともに元本を回収した。起源については,備荒や種籾の分与という共同体の再生産機能に求める考え方と,営料の下賜とみて共同体の支配を打破する新しいミヤケ制の支配に求める考え方がある。8世紀末以降,調庸にかわって正税への財政的依存が高まるなか,土地に対する賦課に転化した。
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…【池田 温】
【日本】
[古代]
出挙は大化前代から屯倉(みやけ)や国造領で行われていたが,制度的に整備されるのは7世紀末から8世紀初頭である。出挙には公的な性格をもつ公出挙(くすいこ)と民間における私出挙がある。令の規定では債務契約は官の処理を経ない自由契約によること,複利計算は許されず利息は10割を限度とすること,債務不履行の際において質物で返済できないときや質物契約のない場合は家財が差し押さえられること,それでも不足するときは労働によって弁済することなどが定められている。…
※「公出挙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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