六曜(読み)ロクヨウ

デジタル大辞泉 「六曜」の意味・読み・例文・類語

ろく‐よう〔‐エウ〕【六曜】

暦注うち先勝せんしょう友引ともびき先負せんぶ仏滅大安赤口しゃっこう六種。古く中国時刻の吉凶占いとされたが、日本に伝わり、明治6年(1873)の太陽暦採用後に新たに日の吉凶占いとして取り入れられ、現在も広く行われている。六輝ろっき

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精選版 日本国語大辞典 「六曜」の意味・読み・例文・類語

ろく‐よう‥エウ【六曜】

  1. 〘 名詞 〙 先勝(せんしょう)友引(ともびき)先負(せんぶ)・仏滅(ぶつめつ)・大安(たいあん)赤口(しゃっく)の六個の星。陰暦における各月の一日目が、一・七月は先勝、二・八月は友引、三・九月は先負、四・一〇月は仏滅、五・一一月は大安、六・一二月は赤口に当たるとし、あとは上記の順に従って六日ごとに一巡する。それによって諸行事の吉凶をいう。中国の小六壬法が、日本で変化して六曜となったといわれる。江戸中期から暦注に記されて流行し始め、現在に至っている。六輝
    1. [初出の実例]「されば六曜の占の外は存ぜぬなり」(出典:咄本・醒睡笑(1628)八)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「六曜」の意味・わかりやすい解説

六曜
ろくよう

六輝(ろっき)ともいう。暦日の注。先勝(せんしょう)、友引(ともびき)、先負(せんぷ)、仏滅(ぶつめつ)、大安(たいあん)、赤口(しゃっく)のこと。14世紀に中国から伝えられた当時は、大安、留連(りゅうれん)、速喜(そくき)、赤口、将吉(しょうきつ)、空亡(くうぼう)といったが、その後、名称、順序ともに幾度か変わり、いまの形に落ち着いたのは天保(てんぽう)(1830~1844)のころという。一般に行われるようになったのもこのころからである。現在も婚礼には仏滅を避けて大安が選ばれ、葬式には友引が忌まれるなど、根強く生きている。本来は時刻の吉凶の占いで、先勝は午後は凶、友引は昼凶、先負は午後大吉、仏滅はすべてに凶で、大安はすべてに吉、赤口は正午のみ吉、とされる。六曜は暦日(旧暦)に次のように配当される。

 正月1日 7月1日 先勝
 2月1日 8月1日 友引
 3月1日 9月1日 先負
 4月1日 10月1日 仏滅
 5月1日 11月1日 大安
 6月1日 12月1日 赤口
 前記のとおり、旧1月1日は毎年先勝、2日は友引、3日先負と順送りに割り当て、翌2月1日は友引として割り当て直す。旧暦の3月1日はかならず先負、4月1日は仏滅、5月1日は大安と決まっていて、迷信とされるゆえんである。

[吉野裕子]

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改訂新版 世界大百科事典 「六曜」の意味・わかりやすい解説

六曜 (ろくよう)

暦注の一種で,日の吉凶をみるのに使われる。六曜星の略で,六輝ともいい,先勝(せんしよう)/(せんかち),友引(ともびき),先負(せんぶ)/(せんまけ),仏滅(ぶつめつ),大安(たいあん),赤口(しやつく)/(しやつこう)の6星を,順番どおり旧暦各月の朔日に配当し,正月・7月は先勝,2月・8月は友引,3月・9月は先負,4月・10月は仏滅,5月・11月は大安,6月・12月は赤口として,2日以下は六曜の順序に従って機械的に充当する。起源は,中国唐代の暦算学者,李淳風の《六壬時課(ろくじんじか)》とされ,日本には室町時代初期ごろに伝わり,小六壬(しようろくじん)といわれ,大安,留連(りゆうれん),速喜(そくき),赤口,将吉,空亡(くうぼう)の六つで時刻の占いであった。江戸時代の寛政年間(1789-1801)には,泰安,流連,則吉,赤口,周吉,虚亡に変わり,天保年間(1830-44)には名称と順序が入れかわって,現在のように固定した。◐先勝は,急用や訟訴などに吉だが午後は凶,友引は,午前中・夕刻・夜は吉だが昼は凶で,友を引くから葬式に悪い,◑先負は,静かにしているのがよく,公事・急用は避け,午後は大吉,●仏滅は,移転・開店,新規事業の開始などすべて凶,○大安は,婚姻,移転,建築,旅行,新規事業の開始などすべてのことによい大吉日,赤口は,赤口神が衆生を悩ますためになにごとをするのも悪い凶日だが正午のみは吉とされる。先勝,先負,友引,赤口には,かつての時刻の吉凶占いの要素を残している。六曜は,江戸末期以降に流布し始めた新しい暦注の考え方で,一般民衆の間にごく手軽な吉凶見として定着し,現代でも根強い力をもっている。
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百科事典マイペディア 「六曜」の意味・わかりやすい解説

六曜【ろくよう】

六輝,宿曜(すくよう)とも。暦注の一つ。江戸中期から使用され始めたもの。先勝(せんしょう),友引先負(せんぷ),仏滅大安赤口(しゃっく)の六つ。
→関連項目忌日

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とっさの日本語便利帳 「六曜」の解説

六曜

暦には、本体である日付のほかに様々な注記事項が書かれている。これを暦注(れきちゅう)という。現代の暦注の代表は七曜であるが、昔の暦注の代表が六曜であった。六曜は、先勝(せんしょう/せんかち)・友引(ともびき)・先負(せんぶ/さきまけ)・仏滅(ぶつめつ)・大安(たいあん)・赤口(しゃっく/しゃっこう)の順で、旧暦の一月と七月は先勝、二月と八月は友引、三月と九月は先負、四月と一〇月は仏滅、五月と一一月は大安、六月と一二月は赤口から始まった。七曜と同じく単なる暦注であったが、幕末の頃からこれに吉凶を関連づけていわれるようになった。しかし、それは迷信であって、何の根拠もない。

六曜

→「日常生活で役に立つ編! 暦」の「六曜」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「六曜」の意味・わかりやすい解説

六曜
ろくよう

暦上の日を6種の吉凶日に分けたもので,中国に起源を発するといわれているが,明らかではない。旧暦の元旦を先勝とし,続いて友引,先負,仏滅大安,赤口とし,繰返して日に割当てた。

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占い用語集 「六曜」の解説

六曜

日本に古くから伝わる暦の一つで、「先勝」・「友引」・「先負」・「仏滅」・「大安」・「赤口」からなる。カレンダーや手帳に記載されていることが多く、結婚式や葬式などの冠婚葬祭で重要視する人が多い。

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世界大百科事典(旧版)内の六曜の言及

【暦】より

…これらはいずれも文字暦とは異なり,長い間の経験の積重ねの中から生み出され伝承されてきたものといえる。 一方,文字による暦は五行説,九星六曜(大安,仏滅,友引,先勝,先負,赤口)などと結びついてさまざまな俗信や迷信を生んだほか,二十四節気や雑節(ざつせつ)(節分,彼岸,八十八夜,入梅,半夏生(はんげしよう),二百十日など)は民衆の季節感や年中行事の節目として大きな影響を与えている。日和見【和田 正洲】
【中国の暦】
 中国最古の王朝として知られる殷代には,その晩期の都であった安陽から多数の甲骨片が発掘され,それに刻まれた甲骨文の研究によって前1300年のころから太陰太陽暦が使用されていたことが立証された。…

【大安】より

…六曜の一つで大吉日。婚姻,移転,建築,旅行,新規事業の開始など,すべてのことに終日吉とされる。…

【友引】より

…六曜の一つで,友引にあたる日は午前中・夕刻・夜は吉だが,昼は凶とされる。友を引くという名称から,文字に則して縁起を担ぎ,この日に葬儀を行うことを忌む。…

※「六曜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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