六根清浄(読み)ろっこんしょうじょう

  • ろっこんしょうじょう ロクコンシャウジャウ
  • ろっこんしょうじょう〔ロクコンシヤウジヤウ〕

デジタル大辞泉の解説

仏語。六根から生じる迷いを断って、清らかな身になること。また、霊山に登るときや参りなどの際に、六根の不浄を清めるために唱える語。六根浄。

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百科事典マイペディアの解説

六根浄とも。仏教で,身心に功徳が満ち自在に働けるように,感覚と認識の基礎となる・耳・鼻・舌・身・意の六根を清浄にすること。真言宗富士講では,登山などに際し,これを称して,安全を祈る。天台宗では《法華経》に基づいてこれを修行の位とし,六根清浄位という。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

六根浄とも略す。「根(こん)」はサンスクリット語のインドリヤindriyaの漢訳語で、感覚器官とその器官の有する能力という意味。六根とは、眼(げん)根(視覚器官と視覚能力)、耳(に)根(聴覚器官と聴覚能力)、鼻(び)根(嗅覚(きゅうかく)器官と嗅覚能力)、舌(ぜつ)根(味覚器官と味覚能力)、身(しん)根(触覚器官と触覚能力)、意(い)根(思惟(しゆい)器官と思惟能力)の6種をいい、この六根が清浄になることを六根清浄という。仏教では、修行や種々の浄行によってこの六根清浄が得られるとした。たとえば『法華経(ほけきょう)』法師功徳品(ほっしくどくほん)では、『法華経』経典の受持(じゅじ)・読誦(どくじゅ)・解説・書写の行によって、六根のそれぞれが種々の功徳(くどく)を有して超人的能力を発揮するとともに、清浄となると説かれており、中国天台宗では、これに基づいて六根清浄を仏道修行の進展を示す目安の一つとなし、修行の階梯(かいてい)に六根清浄位という位を設けた。

 後世、霊山などに登山する際、金剛杖(こんごうづえ)を携え、「六根清浄」と唱えながら登るのは、それによって登山者の身心が清らかとなり、その功徳によって無事に登山ができるように祈るもので、六根の罪の懺悔(さんげ)を説いた『観普賢菩薩行法経(かんふげんぼさつぎょうぼうきょう)』という経典に基づいている。

[藤井教公]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 仏語。六根が汚れを払って、清らかになること。心身ともに清浄になること。また、その境地。六根浄。
※栄花(1028‐92頃)御裳着「光を尋ねて参り、すべて明かなる眼を開き、六根清浄を得たりと覚え」
② 仏語。天台宗でいう、円教の十信の位。菩薩の六根が清浄になる段階。これを六根清浄位という。六根浄。
③ 六根の不浄を祓い清める、となえことば。
※伊勢講并参宮儀式(1686)一「天清浄、地清浄、人清浄、内外清浄、六根清浄、祓ひ賜ひ、清て賜ふ、此咒文をとなふべし」

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四字熟語を知る辞典の解説

六根から生じる欲望執着を断ち切って、心身ともに清浄になること。また、霊山に登る者などが、清浄を願って唱えることば。

[使用例] 白装束に身を潔めた登山者は、六根清浄のコーラスでお山にゆく[大辻司郎*漫談集―飛行機の話|1929]

[解説] 六根とは、人間が迷いを生ずる原因となる六つの感覚器官で、目・耳・鼻・舌・身(皮膚)・意(思考の働き)をいう。「清浄」は清くけがれのないこと。

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