六根浄とも略す。「根(こん)」はサンスクリット語のインドリヤindriyaの漢訳語で、感覚器官とその器官の有する能力という意味。六根とは、眼(げん)根(視覚器官と視覚能力)、耳(に)根(聴覚器官と聴覚能力)、鼻(び)根(嗅覚(きゅうかく)器官と嗅覚能力)、舌(ぜつ)根(味覚器官と味覚能力)、身(しん)根(触覚器官と触覚能力)、意(い)根(思惟(しゆい)器官と思惟能力)の6種をいい、この六根が清浄になることを六根清浄という。仏教では、修行や種々の浄行によってこの六根清浄が得られるとした。たとえば『法華経(ほけきょう)』法師功徳品(ほっしくどくほん)では、『法華経』経典の受持(じゅじ)・読誦(どくじゅ)・解説・書写の行によって、六根のそれぞれが種々の功徳(くどく)を有して超人的能力を発揮するとともに、清浄となると説かれており、中国天台宗では、これに基づいて六根清浄を仏道修行の進展を示す目安の一つとなし、修行の階梯(かいてい)に六根清浄位という位を設けた。
後世、霊山などに登山する際、金剛杖(こんごうづえ)を携え、「六根清浄」と唱えながら登るのは、それによって登山者の身心が清らかとなり、その功徳によって無事に登山ができるように祈るもので、六根の罪の懺悔(さんげ)を説いた『観普賢菩薩行法経(かんふげんぼさつぎょうぼうきょう)』という経典に基づいている。
[藤井教公]
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