六根(読み)ろっこん

精選版 日本国語大辞典 「六根」の意味・読み・例文・類語

ろっ‐こん ロク‥【六根】

〘名〙 仏語。心的作用にはたらく六つ器官対象六境)に応じた認識思惟の作用(六識)のそれぞれ拠り所である器官。眼根・耳根・鼻根・舌根身根意根の六つ。六情六界
※観智院本三宝絵(984)下「六根をきよめて、仏の境界に入り」 〔勝鬘経‐摂受章〕

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デジタル大辞泉 「六根」の意味・読み・例文・類語

ろっ‐こん〔ロク‐〕【六根】

仏語。感覚意識を生じ、またそれによって迷いを起こさせる原因となる六つの器官。げん・鼻・舌・身・意をいう。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「六根」の意味・わかりやすい解説

六根
ろっこん

仏教用語。眼,耳,鼻,舌,身,意の6つの感官能力をいう (意を除いて五根ともいう) 。これらは人間知覚および認識 (→六識 ) を成立させるよりどころとなるもので,それぞれ色,声,香,味,触,法 (→六境 ) を感知する。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「六根」の解説

ろっこん【六根】

青森日本酒。米を40%まで磨き上げて仕込む純米大吟醸酒。数量限定品。原料米は山田錦。仕込み水は白神山地系岩木山の湧水。蔵元の「齋藤酒造店」は明治37年(1904)創業。所在地は弘前市駒越町。

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普及版 字通 「六根」の読み・字形・画数・意味

【六根】りくこん

目・耳など情欲を刺激する器官。

字通「六」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の六根の言及

【根】より

…インド哲学諸派は五根を物質界(元素)に属するものと考えるが,単なる身体の一部(眼球など)とは区別する傾向が強い。仏教ではこれに意(あらゆる精神活動をつかさどる器官)を加えて〈六根〉とし,さらに広義には六根のほかに煩悩を断ち悟りに導く力(信・勤・念・定・慧の五根)や寿命(命根),男根,女根などを加えて〈二十二根〉ともいう。また利根・鈍根というように〈仏教の教えを受ける者としての資質〉を意味することもある。…

【ダルマ】より

…十二処は,六内処(六入)と六外処(げしよ)に分かれる。六内処とは,眼(げん),耳(に),鼻(び),舌(ぜつ),身(しん),意(い),つまり,視覚器官,聴覚器官,嗅覚器官,味覚器官,触覚器官という5種の外的器官と,それらと密接に結びつきながら,意識をもたらす内的器官(意)の作用のことで,六根ともいわれる。六外処とは,色,声(しよう),香,味,触(そく),法(意の対象となる概念),つまり,知覚の対象のことで,六境ともいわれ,外界全体をおおうことになる。…

【六境】より

…認識する感覚器官とその働きを合わせて〈根(こん)〉といい,眼(げん)(見る),耳(に)(聞く),鼻(び)(嗅ぐ),舌(ぜつ)(味わう),身(しん)(触れる)の五根にはそれぞれ対応する対象があり,それらを順次に色境(しききよう)(いろ・かたち),声境(しようきよう)(声や音),香境(こうきよう)(香りや臭気),味境(みきよう)(甘・辛などの味),触境(しよくきよう)(触覚による冷・暖,堅・軟など)の五境とする。これら五根・五境のほか,意根の対象として法境(ほうきよう)を立て,合して六根・六境とする。法境は広くは前の五境をふくむが,狭くは五境以外の残りのすべて,とくに思想的なものを意味している。…

※「六根」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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