六物(読み)ろくもつ

精選版 日本国語大辞典「六物」の解説

ろく‐もつ【六物】

[1] 〘名〙 仏語。僧侶の常に所持すべき六種の物。僧伽梨(そうぎゃり)(大衣)・鬱多羅僧(うったらそう)(上衣)・安陀会(あんだえ)(内衣)の三衣(さんえ)と、(はち)・漉水嚢(ろくすいのう)尼師壇(坐)。比丘六物(びくろくもつ)。〔壒嚢鈔(1445‐46)〕
※臥雲日件録‐寛正四年(1463)一二月一六日「又於東北寺、聴五教章・百法問答抄・心経疏・六物等講也」

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デジタル大辞泉「六物」の解説

ろく‐もつ【六物】

僧尼が常に所持すべき六種の物。大衣・上衣・内衣の三衣さんえと鉢・尼師壇にしだん座具)・漉水嚢ろくすいのう比丘びく六物。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「六物」の解説

六物
ろくもつ

部派仏教修行僧が必ず持つべき6つの物。すなわち3種類の衣料,鉢,坐具,および水をこすための布袋の6種をさす。

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世界大百科事典 第2版「六物」の解説

ろくもつ【六物】

初期の仏教で,出家者(比丘(びく))が所有を義務づけられた六つの生活用品のこと。比丘六物ともいう。具体的には,3種類の衣(ころも)(袈裟(けさ))と鉢(合わせて〈三衣一鉢(さんねいつぱつ)〉という),それに漉水囊(ろくすいのう)(飲水からを除くための水こし)と坐具(敷物)の六つをいう。六物はいわば出家生活の必需品であり,その形,大きさ,材質などには厳しい制限があった。また,出家者が所有を許されたのは,この六物のほかには,薬(陳棄薬(ちんきやく)),などごくわずかなものだけであった。

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世界大百科事典内の六物の言及

【釣漁業】より

…釣漁業が有効なのは,魚が多く群れていても,その場所が岩礁付近で,網漁具を使用して魚を捕獲することが困難であり,釣りにたよらざるをえない場合とか,水深の深い場所に生息する魚種をめあてに捕獲しようとする場合である。 こうした,釣漁業をおこなうための漁具には,釣針,釣糸,おもり(いわ),うき(あば),釣りざお,餌(擬餌)などがあり,これらを〈六物(ろくぶつ)〉とよんでいたこともあるが,釣具は職漁,遊漁をとわず,漁獲対象物や各地の伝統的な漁法により,その組合せ方は実に多様である。しかし,こうした釣漁業をおこなうための漁具,漁法を類型化し,それを分類すると,直接的な釣漁業と間接的な釣漁業に分けることができる。…

【釣針】より

…各部の名称を図に示す。ミミズをだんご状に丸めて用いる松島湾のハゼ釣りや,南太平洋のたこ(凧)とクモの巣を使ったダツ釣りのように,釣針を使わない釣りもまれにあるが,釣針は釣りの六物(釣針,釣糸,釣りざお,餌,おもり,うき)のなかで最も重要な要素である。形によって特徴があるので,対象,目的によって使い分ける。…

【瓶】より

…後者はおもに密教において,曼荼羅(まんだら)の諸尊の供養のために五宝,五香,五薬,五穀,香水などを収める容器として用いられ,宝瓶,賢瓶などともいわれる。いずれにしても,瓶は小乗の比丘の〈六物(ろくもつ)〉には含まれていないところから,とくに大乗になってから重視されるようになり,さらに密教において重要な法具とされるに至ったということができよう。【岩松 浅夫】。…

※「六物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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