中国、古代に行われた六つの儀礼形式で、4種類ほど知られる。『礼記(らいき)』「王制篇(へん)」には「冠(元服)、昏(こん)(結婚)、喪(弔葬)、祭(宗廟(そうびょう)の祭り)、郷(謝礼、飲酒)、相見(同僚の会合時の礼)」があげられている。『周礼(しゅらい)』「春官」には「春見るを朝、夏見るを宗、秋見るを覲(きん)、冬見るを遇、時に見るを会、殷(いん)に見るを同という」とあって、四季折々に諸侯が天子に拝謁する際の礼をあげるほか、宗廟の祭祀(さいし)の礼として「肆献(しけん)(酒と肉とで祭る)、饋食(きしょく)(熟食を供えた祭り)、祠(し)(春の祭り)、やく(夏の祭り)、嘗(しょう)(秋の祭り)、蒸(冬の祭り)」の例もみられる。『儀礼』の「士昏礼」の疏(しょ)には「昏礼に六つがあり、五礼には鴈(がん)を用いる。納采(のうさい)(申込み)、問名(もんめい)(母の氏を聞く)、納吉(のうきつ)(占い)、請期(せいき)(吉日)、親迎(しんげい)(出迎え)がこれである。ただ、納徴(結納)は鴈を用いない」とあり、『小学紺珠(こんじゅ)』にも「納采、問名、納吉、納徴、請期、親迎」と六つをあげるが、これらは結婚の際のものである。
[田所義行]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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