(読み)ロク

デジタル大辞泉 「六」の意味・読み・例文・類語

ろく【六】[漢字項目]

[音]ロク(呉) リク(漢) [訓]む むつ むっつ むい
学習漢字]1年
〈ロク〉
数の名。むっつ。「六回・六尺六腑ろっぷ六法丈六蔵六四六時中
六番目。「六月第六感
〈リク〉むっつ。「六義六芸六書六朝六韜りくとう
〈む〉「六指むさし
〈むい〉「六日むいか
[難読]十六夜いざよい双六すごろく六十むそ六十むそじ

ろく【六】

数の名。5の次、7の前の数。むつ。むっつ。
6番目。第6。
[補説]金銭証書などで、間違いを防ぐため「陸」を用いることがある。
[類語]じゅうゼロ一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つ九つとお

む【六】

ろく。むっつ。声を出して数をかぞえるときの語。「いつ、、なな、や」
ろく。むっつ。名詞の上に付けて用いる。「月」「さか

りゅう〔リウ〕【六】

唐音》数の6。むっつ。けんなどでいう。

むう【六】

む(六)」の音変化。「いつ、、なな」

りく【六】[漢字項目]

ろく

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「六」の意味・読み・例文・類語

むゆ【六】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「む(六)」の古形か )
  2. 六つ。中古・中世にわずかな例が見られる。
    1. [初出の実例]「韓奴(からやつこ)(むろ)、兄(え)麻呂、弟麻呂、御倉(みくら)小倉(をくら)、針六口(ムユ)を以て」(出典:日本書紀(720)雄略九年五月(図書寮本訓))
  3. 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの六。むう。む。
    1. [初出の実例]「一(ひと)(ふた)(み)(よ)(いつ)むゆ七(なな)(や)(ここの)(たりや)」(出典:年中行事秘抄(12C末)鎮魂祭歌)

六の補助注記

( 1 )の挙例「書紀」の「六口」は六人の意。沖縄の宮古方言では人数六人のことを「むゆのひと」というから、「六口」の訓の「むゆ」も「むゆのひと」という訓の一部だけを示したものか。
( 2 )のように口で数を唱えるときも古くは「むゆ」であり、日数六日も古くは「むゆか」であったから、「むゆ」は「む」から変化したのではなく、その逆の可能性がある。


ろく【六・陸】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 数の名。む。むつ。むっつ。また、六番目。
      1. [初出の実例]「一二の目のみにはあらず五六(ろく)三四さへありけり双六(すごろく)のさえ」(出典:万葉集(8C後)一六・三八二七)
    2. 神楽笛龍笛高麗笛(こまぶえ)篳篥(ひちりき)などの孔(あな)の名。吹口(ふきぐち)の反対側からかぞえて、指孔が六孔の神楽笛・高麗笛は第六番目、七孔の龍笛は第七番目、九孔の篳篥は第五番目の孔をいう。また、その孔を用いる音の名。〔簾中抄(1169‐71頃)〕
    3. 和琴箏の絃名。十三絃の箏では低い音から六番目、和琴では奏者に近い手前から数えて六番目。
    4. むさし(六指)〔物類称呼(1775)〕
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 ( 「贅六(ぜえろく)」「宿六(やどろく)」などの「ろく」からいったものか ) 人を表わす語に付けて、その人をいやしめののしっていう場合に用いる。

む【六】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「み(三)」の母音変化により倍数を表わしたものか )
  2. むっつ。名詞・助数詞の上に付けて用いる。
    1. [初出の実例]「相撲出でて、いつ手む手ばかりとりて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  3. 物の数を声に出して順に唱えながら数えるときの六(ろく)。実際に唱えるときには「いつむーなな」のように長く発音することもある。むう。
    1. [初出の実例]「ひふとて、手に石ふたつをもちてかはりがはりたまにとるに、ひふみよいむなやこと、といへるは」(出典:名語記(1275)四)

りゅう【六】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「六」の唐宋音から ) 数の六(ろく)清楽(しんがく)の音符または拳(けん)などで用いる。むつ。
    1. [初出の実例]「拳の手品の手もたゆく〈略〉はま、さんきう、ごう、りう、すむゐ」(出典:浄瑠璃・冥途の飛脚(1711頃)中)

むう【六】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「む(六)」を延ばして発音した語 ) 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの六(ろく)
    1. [初出の実例]「ひいふうみいよういつむうななやァこのとう十一、トかぞへる内に」(出典:洒落本・青楼夜世界闇名月(1789‐1801)局廛宵多話)

ろんじ【六】

  1. 〘 名詞 〙 六や六〇・六〇〇などをいう、駕籠舁(かごかき)・馬方仲間などの符丁
    1. [初出の実例]「きりきりと・ろんぢを分るかごの者」(出典:雑俳・うき世笠(1703))

りく【六・陸】

  1. 〘 名詞 〙ろく(六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「六」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 4画

[字音] ロク・リク・リュウ(リウ)
[字訓] むつ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 仮借
小さな幕舎の形。(りく)・陸はその形に従い、陸は神の陟降する前にその幕舎を作り、これを迎える意。その音を仮借して数の六に用いる。〔説文〕十四下に「易の數、陰は六に變じ、に正し。入に從ひ、に從ふ」と易の数理によって説くが、卜文・金文の字形は幕舎の象。篆文の字形は戦国期末の竹簡にみえるが、字の初形ではない。

[訓義]
1. むつ、数の六。
2. むたび。
3. 易の陰爻

[古辞書の訓]
名義抄〕六 ムツ

[声系]
・陸の従うところは六を重ねた形で、幕舎の相連なるところ。陵の字形にもその形を含んでいる。

[語系]
六・・陸liukは同声。陵lingも声義が近い。陸・陵は山の高地に設けた聖地で、神梯の前に設けて神を迎えるところ。六はその幕舎の象とみられる。

[熟語]
六彝・六一・六六姻六羽・六花六駕・六街六骸・六学・六気・六紀六驥・六義・六極・六軍・六経・六・六計・六芸・六言六候・六爻・六合・六国・六根・六鑿・六矢・六師・六詩・六・六耳・六時・六祝・六出・六書・六情・六親・六尺・六秩・六徴・六朝・六丁・六・六馬・六博・六漠・六轡・六腑・六柄・六夢・六欲・六律・六竜・六礼・六・六和
[下接語]
一六・九六・初六・上六・丈六・蔵六・地六・二六・陽六

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android