数人が犯罪を共謀し,そのうちの一部の者が犯罪を実行した場合,実行を分担しなかった者にも共同正犯の責任を問うときに,これを共謀共同正犯という。学説の多くは,実行に関与しなかった者は教唆犯ないしは従犯にすぎないとして共謀共同正犯に批判的であったが,判例は一貫して共謀者をも共同正犯として処罰してきた。最近,学者のなかにも支持者がふえ,第2次世界大戦前からの共同意思主体説とともに間接正犯類似のものとして説明する学説や,行為支配の観念を用いて基礎づける学説も有力に主張されている。また,改正刑法草案 27条2項も共謀共同正犯を規定している。
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2人以上が協力して犯罪を計画。その中の誰かが共同の意思に基づいて犯行を行った場合、直接、実行行為に手を染めなかった共謀者も同じ罪に問えるという考え方。現場にいなかった首謀者などが該当する。
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二人以上の者が犯罪の実行を共謀し、その一部の者が共同の意思に基づいて犯罪を実行した場合、実行しなかった者も共同正犯として処罰されること。→共同謀議 →共同正犯 →共犯
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2人以上の者が犯罪を共謀し,そのうちの一部の者が現実の犯罪実行を担当した場合,実行に関与しなかった共謀者をも教唆犯や従犯としてではなく,共同正犯(刑法60条)として処罰すること。判例は旧刑法時代から,この観念を認めており,当初は恐喝,詐欺罪などの知能的犯罪に限っていたが,後には殺人・強盗などすべての犯罪に適用するに至った。これに対して,通説は,〈共同して犯罪を実行した者〉と規定する刑法60条の文理解釈,共同正犯と従犯の区別の明確性という観点から,基本的構成要件に該当する行為を分担しない共同正犯を認めることに強く反対してきたが,判例を支持する立場からは,一部の者による実行を共謀によって形成された超個人的団体そのものの実行ととらえる共同意思主体説が唱えられてきた。
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犯罪を共謀したが、犯罪の実行を分担しなかったこと。共同正犯の責めを負うか否かで学説が分かれる。 →
共同謀議
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〘名〙 二人以上の者が犯罪を共謀し、これに基づいて、そのうちのある者が犯罪を実行すること。判例によると、実行に参加しなかった者を含めて
全員が共同正犯者として処罰される。
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世界大百科事典内の共謀共同正犯の言及
【共犯】より
…もっとも,各自がはじめから実行行為の一部を行う必要はなく,ある者が他の者の実行行為に途中から加わってもよい(承継的共同正犯)。ただし,判例は共同実行の要件をゆるめ,犯行を共謀しただけで,実行行為に荷担しなかった者までも共同正犯だとしている(共謀共同正犯。これには強い批判がある)。…
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