デジタル大辞泉
「其奴」の意味・読み・例文・類語
す‐やつ【×其▽奴】
[代]《「そやつ」の音変化》三人称の人代名詞。そいつ。しゃつ。
「―はいづち行くとも、よくありなむや」〈落窪・二〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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そ‐いつ【其奴】
- 〘 代名詞詞 〙 ( 「そやつ」の変化した語 )
- ① 他称。相手側の人、または話題の人をさす(中称)。人をいやしめたり、ぞんざいにいったりする言い方。
- [初出の実例]「タトイ ヲウカメガ キタリトモ soitçumeuoba(ソイツメヲバ) ウチコロイテ カワヲ ハイデ ノキョウゾト ユウニ ヨッテ」(出典:天草本伊曾保(1593)狼と子を持った女の事)
- 「この計画をかぎつけていた者が村にいて、そいつが別の組をつくって一足先に出発して」(出典:静物(1960)〈庄野潤三〉八)
- ② 他称。相手側の事物、または話題の事物をさし示す(中称)。
- [初出の実例]「『ひとりまへ六十四文』『そいつは高い』」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)二)
- 「輿を人形屋へ誂へて〈略〉そいつを牛車(うしぐるま)にのせて」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)初)
そ‐やつ【其奴】
- 〘 代名詞詞 〙 他称。相手側の人、または話題の人をののしったり乱暴にいったりするのに用いる。そいつ。
- [初出の実例]「先づ、そやつめを引立て来れと、一間へ入れば家来ども、石屋の親父をむりやりに」(出典:浄瑠璃・一谷嫩軍記(1751)三)
す‐やつ【其奴】
- 〘 代名詞詞 〙 ( 「そやつ」の変化した語 ) 他称。軽んじて用いる中称。
- [初出の実例]「すやつはいづち行くとも、よくありなんや。今逢ふとも、我らが子ども、いかがせん」(出典:落窪物語(10C後)二)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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