其奴(読み)スヤツ

デジタル大辞泉の解説

す‐やつ【×奴】

[代]《「そやつ」の音変化》三人称の人代名詞。そいつ。しゃつ。
「―はいづち行くとも、よくありなむや」〈落窪・二〉

そ‐いつ【×奴】

[代]《「そやつ」の音変化》
三人称の人代名詞。相手に近い人、または話題の人をぞんざいにいう語。「其奴はだれだ」
中称の指示代名詞。相手に近いもの、または話題のものをぞんざいにいう語。「其奴を取ってくれ」「其奴はありがた

そ‐やつ【×奴】

[代]三人称の人代名詞。相手に近い人、また話題の人をののしったりするのに用いる。そいつ。「其奴のしわざだ」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

すやつ【其奴】

( 代 )
〔「そやつ」の転〕
三人称。相手側の人や話題の人をさす。そいつ。 「 -はいづち行くとも、よくありなむや/落窪 2

そいつ【其奴】

( 代 )
〔「そやつ」の転〕
三人称。聞き手に近い人をさす語。さす相手をののしる気持ちを含めて使う。 「 -を捕まえてくれ」
中称の指示代名詞。その物。その事。それ。 「 -はしくじったな」

そやつ【其奴】

( 代 )
三人称。相手をののしっていう語。そいつ。しゃつ。 「 -のせいだ」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

す‐やつ【其奴】

〘代名〙 (「そやつ」の変化した語) 他称。軽んじて用いる中称
※落窪(10C後)二「すやつはいづち行くとも、よくありなんや。今逢ふとも、我らが子ども、いかがせん」

そ‐いつ【其奴】

〘代名〙 (「そやつ」の変化した語)
① 他称。相手側の人、または話題の人をさす(中称)。人をいやしめたり、ぞんざいにいったりする言い方。
※天草本伊曾保(1593)狼と子を持った女の事「タトイ ヲウカメガ キタリトモ soitçumeuoba(ソイツメヲバ) ウチコロイテ カワヲ ハイデ ノキョウゾト ユウニ ヨッテ」
※静物(1960)〈庄野潤三〉八「この計画をかぎつけていた者が村にいて、そいつが別の組をつくって一足先に出発して」
② 他称。相手側の事物、または話題の事物をさし示す(中称)。
滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)二「『ひとりまへ六十四文』『そいつは高い』」
※滑稽本・浮世床(1813‐23)初「輿を人形屋へ誂へて〈略〉そいつを牛車(うしぐるま)にのせて」

そ‐やつ【其奴】

〘代名〙 他称。相手側の人、または話題の人をののしったり乱暴にいったりするのに用いる。そいつ。
※浄瑠璃・一谷嫩軍記(1751)三「先づ、そやつめを引立て来れと、一間へ入れば家来ども、石屋の親父をむりやりに」

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