奴さん(読み)やっこさん

日本大百科全書(ニッポニカ)「奴さん」の解説

奴さん
やっこさん

寄席(よせ)や花柳界で流行した舞踊音楽。幕末期、江戸の町を徘徊(はいかい)した願人坊主(がんにんぼうず)の芸に、『伊勢(いせ)音頭』というのがあった。今日の民謡『伊勢音頭』の歌詞に続いて、「奴さんどちら行く」と歌うのである。同時に、踊りも見せていた。この後半の部分が独立して座敷化し、さらに『姉(あね)さん』や『船頭さん』といった替え歌も生まれた。近年では、落語家桂(かつら)小文治が軽妙な踊りを高座で見せた。

[倉田喜弘]

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デジタル大辞泉「奴さん」の解説

やっこ‐さん【奴さん】

[名]折り紙で、2の形に折るもの。
俗曲。江戸末期に願人坊主が踊り歌として広め、のちに寄席や花柳界で流行した。踊りを伴うことが多い。
[代]三人称の人代名詞。同等以下の人を軽んじたり、親しみを込めたりしていう語。あいつ。やつ。「奴さん、最近元気がないね」

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