内灘(読み)うちなだ

改訂新版 世界大百科事典 「内灘」の意味・わかりやすい解説

内灘[町] (うちなだ)

石川県中央部,河北郡の町。人口2万6927(2010)。日本海と河北潟の間の砂丘地帯にあり,南は金沢市に接する。内灘砂丘旧砂丘の上に新砂丘が形成されたもので,旧砂丘からは石器時代遺物が出土した。オホーツク海のホタテガイ漁を開拓するなど,かつては北海道への出稼漁を中心とする町であったが,63-71年に砂丘を切って放水路を建設する河北潟干拓事業が行われたため,町は大きく変貌し,砂丘地では野菜生産と酪農が行われる。家内工業として発達した繊維工業が基幹産業となっているが,住宅団地の造成,金沢医科大学の設立などにより金沢市の衛星都市となり,人口の増加が目だつ。北陸鉄道線が通じる。1952年砂丘地帯にアメリカ軍の内灘試射場の設置が決まり,翌53年にかけて激しい反対闘争が行われた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報