円乗寺(読み)えんじょうじ

精選版 日本国語大辞典 「円乗寺」の意味・読み・例文・類語

えんじょう‐じ ヱンジョウ‥【円乗寺】

京都市右京区仁和寺付近にあった天台宗の寺。天喜三年(一〇五五後朱雀天皇建立四円寺一つ。長治二年(一一〇五焼失

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日本歴史地名大系 「円乗寺」の解説

円乗寺
えんじようじ

[現在地名]久留米市瀬下町

瀬下通せのしたとおり町にある。仏教系単立(旧真宗大谷派)。桂門山と号する。本尊阿弥陀如来。寛永二年(一六二五)柳川に創建され、慶安二年(一六四九)瀬下通町に久留米藩二代藩主有馬忠頼から寺地拝領、移転したという(寛文十年寺社開基)。あるいは筑後国山門やまとしん(現柳川市)の侍藤田円が剃髪して良怡と改名、正保二年(一六四五)頃当山を創建したともいう(久留米市誌)。同四年藩命に従わず、西本願寺派に属したことで真教しんきよう寺など六ヵ寺とともに閉門に処されている(「西念寺記録」同寺蔵)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「円乗寺」の意味・わかりやすい解説

円乗寺
えんじょうじ

京都市右京区にあった廃寺。1055年(天喜3)後朱雀(ごすざく)天皇のために建立。仁和寺(にんなじ)に付属する勅願寺として栄え、円教寺円融寺円宗寺とともに四円寺(しえんじ)とよばれた。

[若林隆光]

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世界大百科事典(旧版)内の円乗寺の言及

【四円寺】より

…いずれも仁和寺(にんなじ)の子院で,天皇の後院(ごいん)として営まれた。仁和寺に深く帰依した円融天皇が983年(永観1)に御願寺とした円融寺をはじめとして,998年(長徳4)一条天皇御願の円教寺,後朱雀天皇の御願で,後冷泉天皇により1055年(天喜3)に完成した円乗寺,70年(延久2)後三条天皇御願の円宗寺(初め円明寺と称す)である。円宗寺では,国家の仏事として法華会,最勝会が行われ,のち法勝寺大乗会とともに北京三会(ほつきようさんえ)とよばれた。…

※「円乗寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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