正月の山仕事始めの儀礼。山初(ぞ)め、山たて、若山ふみ、木伐(き)り始め、山ほめなど呼び名もいろいろある。正月の2日、4日、8日、11日などとその日取りも各地ごとに違うが、年初の山仕事の始めを慎み祝い、山の神に仕事運びの順調を祈念する趣旨はほぼ同じである。山の神に供え物をして仕事の安全を祈念し、初伐りした樹木を小(こ)正月行事の門飾りや燃料など特殊な用途にあてることが多い。それゆえか、初山を小正月の「若木迎え」とする所もかなりあり、大正月の「松迎え」と対置している所さえみられる。また一部の地方では「農はじめ」同様、山の神の使いのカラスをよび、餅(もち)を投げ与え、その食べ方で「年の豊凶」を占う所もあった。
[竹内利美]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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