前後不覚(読み)ゼンゴフカク

デジタル大辞泉 「前後不覚」の意味・読み・例文・類語

ぜんご‐ふかく【前後不覚】

あとさきの区別もつかなくなるほど、正体を失うこと。「前後不覚に酔いつぶれる」
[類語]悶絶気絶失神人事不省喪心無意識心神喪失昏睡気が遠くなる目を回す気を失う

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「前後不覚」の意味・読み・例文・類語

ぜんご‐ふかく【前後不覚】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 前後の区別もつかなくなること。正常な判断ができなくなること。正体を失うこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「奉仕官奏。此間心神不宜。退出。前後不覚悩」(出典御堂関白記‐長保元年(999)五月二〇日)
    2. 「なにしろ酔ひつぶれて馬車の中に寝たまま全く前後不覚で家の前まで運ばれてゐたこともある位だから」(出典:煙管(1933)〈新田潤〉)

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四字熟語を知る辞典 「前後不覚」の解説

前後不覚

前後の区別もつかなくなること。正常な判断ができなくなること。正体を失うこと。また、その様子

[活用] ―に・―で・―だ。

[使用例] 私は彼がこの調子で、ぐいぐいウイスキイを飲み、いまに大酔いを発し、乱暴を働かないまでも、前後不覚になっては、始末に困ると思い[太宰治*親友交歓|1946]

[使用例] そのときの彼は自覚しているより何層倍も激しく動顛しており、文字通り前後不覚にウロたえていたわけだろう[安岡章太郎*月は東に|1970~71]

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