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功過格 こうかかくGong-guo-ge

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

功過格
こうかかく
Gong-guo-ge

中国の道徳書。「」とは善行,「過」とは悪い行為を意味する。日常のすべての行為を善と悪に分類し,それを点数という形で数量化して示して,それによって善悪の点数計算を行う書。現存する最古のものは,金の大定 11 (1171) 年の『太微仙君功過格』であるが,民衆一般に広まったのは,明末以降である。

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デジタル大辞泉の解説

こうか‐かく〔コウクワ‐〕【功過格】

道教で、日常的な行為をすべて功(善行)と過(悪行)に分け、その善悪の大きさをそれぞれ点数化して示した道徳実践のための指導書

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百科事典マイペディアの解説

功過格【こうかかく】

中国の実践道徳の書物。因果応報思想にもとづくもので,日常の行為を善(功)と悪(過)に分類して採点し,功が増大し,過が減少するよう努力することを勧める。明末・清初に最も盛行し,日本にも伝来した。

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世界大百科事典 第2版の解説

こうかかく【功過格 Gōng guò gé】

中国の日常的な実践道徳を具体的に示した書。善書(勧善の書)の一つ。書中に分類列挙された規準となるべき行為の項目を格と称し,巻末の月日ごとに区切られた1年間分の点数記入一覧表を格図とか格目之図とか称し,この書を功過格と称した。日常的な行為を功(善)と過(悪)に分類して,その行為の一つ一つに点数を与え,一功(プラス1点)とか一過(マイナス1点)とかとする。これに従って,毎日就寝前にその日の行為に基づいて自己採点をし,月末に小計し年末に総計算を行う。

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大辞林 第三版の解説

こうかかく【功過格】

中国、民間で行われた善行を勧めるための道徳律。人の行為を功(善)と過(悪)に分類・計量化し、それによって天の賞罰がくだるとされた。また、それを載せた書(善書)。宋代以降盛行した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

功過格
こうかかく

道教の書。儒仏道の教義に基づいた格(道徳規準)に照らして、自己の行為を採点し、功(善行)と過(罪悪)とに分類して表にする書物で、「善書」(勧善懲悪の書)の一種。感得し撰述(せんじゅつ)した人物によって満点数を異にし、採点の方法も各条ごとのものや、一括提示など異なっている。たとえば、「故(ことさら)に人の性命を傷殺するを百過と為(な)す」(『太微仙君(たいびせんくん)功過格』)、「一功――敬を致し養を尽す。疾(やまい)に侍するに父母の如(ごと)し……」(『功過格輯要(しゅうよう)』)のごとくである。採点記号は、一功が、十功が、一過が×、十過が*などである。功過の語は古く職務上の能力に用いられたが、道徳と結び付けたのは、葛洪(かっこう)(283―343?)の『抱朴子(ほうぼくし)』「対俗篇微旨篇(たいぞくへんびしへん)」が初めといわれる。彼は、天地の神や身中の三尸(さんし)の鬼神が人の罪過に従って奪紀奪算(寿命の減少)をすると説く。金の1171年(大定11)ころに自己採点の又玄子(ゆうげんし)撰『太微仙君功過格』が世に出た。これが現存最古のものであり、仏教の影響などで葛洪以後このころまでに採点の主体が変化した。16世紀の袁了凡(えんりょうぼん)の『陰隲録(いんしつろく)』、雲棲(うんせい)の『自知録』、雲谷(うんこく)の『功過格』が有名である。日本への伝来は不明であるが、江戸時代には広瀬淡窓らの学者や、農民にまで利用された。[宮澤正順]
『『道教聖典』(1924・世界文庫刊行会) ▽吉岡義豊著『道教と仏教 第二』(1970・豊島書房) ▽酒井忠夫著『中国善書の研究』(1960・国書刊行会)』

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世界大百科事典内の功過格の言及

【中国】より

…道教研究は戦後急激に開拓されてきた分野で,もちろん道士の専門的修行や儀式などもあるが,むしろ注目したいのは《太上感応篇》などの説く道教的立場よりの倫理説である。徳目など全般に儒教の影響下にあるのは当然であるが,善行悪行を数量化してプラス・マイナスの点数として毎日記録点検して,善にうつることに努めるという功過格の思想は本来道教のものであったという。民衆の内的自己鍛練のための方法として最も重視すべきもので,たとえば商人などをただむき出しの利欲でのみ行動するものと考えるのは早計であろう。…

※「功過格」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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