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フランスの作曲家サン・サーンスが小編成の管弦楽のために書いた14曲からなる組曲。1886年、謝肉祭最終日の音楽会のために作曲したもので、人間(ピアニスト)を含むさまざまな動物がユーモラスに、あるいは皮肉を込めて描かれている。とくに第13曲の「白鳥」Le Cygneはピアノ伴奏付きチェロ独奏曲に編曲され、広く親しまれるようになった。また第四曲「亀(かめ)」や全部の動物が勢ぞろいする「終曲」では、オッフェンバックの喜歌劇『天国と地獄』の旋律を借用するなど他の作品からのパロディーもあり、多彩な効果をあげている。
[三宅幸夫]
…作品としては,コントラバスの名手ドラゴネッティの協奏曲が有名で,弦長の長い弦楽器が自然ハーモニックスを出しやすいという利点を生かして華やかな効果を出している。室内楽ではシューベルトの五重奏曲《鱒》,またこの楽器のユーモラスな一面をとらえたサンサーンスの《動物の謝肉祭》の中にある〈象〉もおもしろい。指揮者のクーセビツキーはコントラバス奏者でもあり,自作にコントラバス協奏曲のほか《シャンソン・トリステ》や《小さなワルツ》などの小品もある。…
…R.ビュシーヌ,フォーレ,C.フランクなどとともに国民音楽協会を設立(1871),フランスの若手作曲家に作品演奏の場を与えることに貢献する一方,著述家としては反ワーグナー,反印象派の論陣を展開した。代表作には交響詩《死の舞踏》(1874),室内楽曲《動物の謝肉祭》(1886),《ピアノ協奏曲第2番》(1868),《同第4番》(1875)などがある。【片山 千佳子】。…
※「動物の謝肉祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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