北木島(読み)きたぎしま

日本歴史地名大系 「北木島」の解説

北木島
きたぎしま

[現在地名]笠岡市北木島町

白石しらいし島の南東にあり、南東は真鍋まなべ島。周囲約二〇キロ、面積約七・八平方キロ。中央部は標高二〇〇メートルを超え、北部・西部にも一八〇メートル近い山稜がそびえる。北面する金風呂かなふろ豊浦とようら、東面する大浦おおうら良港で、周辺に集落が形成される。近世真鍋島との間の瀬は鯛漁の格好漁場であった(弘化二年「願書」備中真鍋島の史料など)。享徳二年(一四五三)真鍋氏系図(真鍋文書)には「柴ノ島」とある。戦国末期と推定される五月一八日の某元親書状(吉備津神社文書)に北木とみえ、吉備津神社の御幣料を免除され、真鍋氏の一族が住していた。

元和五年(一六一九)から備後福山藩領になったと考えられ、寛文一一年(一六七一)から同一三年にかけて藩主水野勝成が行った領内検地の高を記したものと思われる「備陽六郡志」所収の福山藩領高辻帳では高一〇三石余。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「北木島」の意味・わかりやすい解説

北木島
きたぎしま

岡山県南西部、笠岡(かさおか)市に属する島。面積7.49平方キロメートル。かつては北木島町を構成した。全島花崗(かこう)岩からなり、北木石を産出する。大坂城石垣に用いられたが、石材の採掘、加工が盛んになったのは明治中期からで、現在は石材採掘は減少し、おもに輸入石材の加工が中心となっている。水産業も行われ、海水浴場としても知られる。笠岡港からフェリーなどが通じる。人口1195(2009)。

[由比浜省吾]

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改訂新版 世界大百科事典 「北木島」の意味・わかりやすい解説

北木島 (きたぎしま)

岡山県南西部,瀬戸内海の笠岡諸島中,面積(7.3km2),人口(1222。2010年)ともに最大の島。笠岡市に属し,フェリーで笠岡港と結ばれる。主産業は花コウ岩の北木石の採掘・加工で,島内の各所採石場がある。また漁業も行われる。白砂青松の海岸は夏季に海水浴場となり,他県からの観光客も訪れる。島周辺は釣場として知られる。
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百科事典マイペディア 「北木島」の意味・わかりやすい解説

北木島【きたぎしま】

岡山県笠岡市に属する笠岡諸島中最大の島。面積7.50km2中世には柴ノ島ともみえ,江戸時代には加子浦で,漁業も盛んであった。中心は北木島町で,笠岡〜多度津間の定期船寄港。北木石と呼ぶ良質の花コウ岩を特産,各所に採石場がある。海水浴場,キャンプ場としてにぎわう。
→関連項目笠岡[市]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北木島」の意味・わかりやすい解説

北木島
きたぎしま

岡山県南西端,笠岡市に属する瀬戸内海の島。北木石の名で知られる花崗岩の採石が行われ,大坂城の石垣や靖国神社の鳥居に用いられ,現在もビルの外装や墓石などに使用されている。海水浴場があり,ノリ養殖や養魚も行われる。ジョチュウギクの特産地。笠岡から定期フェリーが運航。面積 7.94km2。人口 2227 (1996) 。

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デジタル大辞泉プラス 「北木島」の解説

北木島

岡山県笠岡市、笠岡港の沖約13キロメートル、白石島の南東に位置する笠岡諸島の島。面積約7.49平方キロメートル。良質な花崗岩(北木(きたぎ)石)を産出し、大阪城築城の昔から石材の島として栄えた。東京都千代田区の靖国神社の大鳥居は北木石で出来ている。

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