十二所(読み)じゅうにしょ

精選版 日本国語大辞典 「十二所」の意味・読み・例文・類語

じゅうに‐しょジフニ‥【十二所】

  1. 〘 名詞 〙じゅうにしょごんげん(十二所権現)」の略。
    1. [初出の実例]「こなたはくらくて、さいとうの火に、御正体のかがみ十二所おのおのひかりをかがやきて」(出典:梁塵秘抄口伝集(12C後)一〇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「十二所」の意味・わかりやすい解説

十二所
じゅうにしょ

秋田県北部、大館市(おおだてし)の一地区。旧十二所町。米代(よねしろ)川の流域にある。南部領に接する要地で、中世には浅利氏、安東(秋田)氏は家臣を配して警備にあたらせた。江戸初期、秋田藩佐竹氏も家臣の赤坂塩谷梅津茂木(もてぎ)の各氏に支配させ、江戸末期まで小城下町を形成した。侍町、足軽町、町人町などに区画され、約190人の武士が居住した。現在は農山村地帯となっている。JR花輪線十二所駅や、大滝温泉郷、別所温泉などがある。

[宮崎禮次郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十二所」の意味・わかりやすい解説

十二所
じゅうにしょ

秋田県北部,大館市の南東にある集落。旧町名。 1955年に大館市に編入花輪盆地大館盆地中間に位置し,盛岡,秋田両藩の境界の町として重要視された。江戸時代には佐竹氏の家臣茂木氏の城下町として発展西方に大滝温泉がある。 JR花輪線,国道 103号線が通る。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の十二所の言及

【大滝[温泉]】より

…対岸の五輪台にも温泉が開発されて,温泉街は拡張,秋田労災病院はじめ,各種保養施設の数は県内一で,近年にぎわいを呈してきた。付近の十二所は中世後期の城下町で,のち南部藩に接する要地として,秋田藩の所預(ところあずかり)がおかれた。また,米代川水運の終航地であった。…

※「十二所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android