十方(読み)ジッポウ

デジタル大辞泉の解説

じっ‐ぽう〔‐パウ〕【十方】

東・西・南・北の四方、北東・南東・南西・北西の四隅と上・下の方角。
あらゆる方面。すべての所。

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大辞林 第三版の解説

じっぽう【十方】

四方(東西南北)・四隅(東南・東北・西南・西北)と上下。 「 -の諸仏を礼拝する」
あらゆる場所・方角。残るくまもないところ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

十方
じっぽう

十の方角のこと。東、西、南、北の四方と、東南、西南、西北東北の四維(しゆい)、それに上、下の2方向をあわせた10方向をいう。すなわち、あらゆる方角のこと。仏教で十方三世(じっぽうさんぜ)とは過去、現在、未来にわたるあらゆる時間とあらゆる空間を意味する。大乗仏教では、われわれの住む娑婆(しゃば)世界のほかに、十方に無量の世界、すなわち十方世界があり、そこには一世界に一仏の割合で三世にわたって無数の仏が出現すると説く。これを十方三世の諸仏という。[藤井教公]

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精選版 日本国語大辞典の解説

じっ‐ぽう ‥パウ【十方】

〘名〙
① 東・西・南・北の四方と、艮(うしとら)(=北東)、巽(たつみ)(=東南)、坤(ひつじさる)(=南西)、乾(いぬい)(=西北)の四隅と、さらに上・下を合わせた称。あらゆる方角、場所。あらゆる世界。十方世界。
※正倉院文書‐天平勝宝八年(756)六月二一日・東大寺献物帳「百工遵有道之風、十方三界、六道四生、同霑此福、咸登妙果」
※今昔(1120頃か)一「御身より光明を放て十方を照し給ふ」 〔北本涅槃経‐一五〕
② 禅宗で、法系や門派を問わず、広く自由に住持を招く制度。十方住持制。
※空華日用工夫略集‐永徳二年(1382)五月七日「今又承新規、改度弟院十方、則許十刹云々」

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世界大百科事典内の十方の言及

【七宝文】より

…有職(ゆうそく)文の一種で,輪違(わちがい)文ともいう。上下左右に連続するさまから〈四方〉〈十方〉と呼ばれたのが,のちに仏教の十珍七宝(じつちんしつぽう)と結びつき〈七宝〉となった。この形の文様は古くから見られ,紀元前3000年ころのシュメールで黄金製指輪の装飾にも用いられている。…

※「十方」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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