つづ【▽十】
1 《二十歳のことを言うのに「つづ(十)やはたち(二十)」と用いられたところから誤って》19歳。
「いくら利口のようでも、やっぱり―や二十歳の処女でございますよ」〈紅葉・二人女房〉
2 とお。じゅう。〈日葡〉
3 《弓の勝負は一度に二矢ずつ五度で決するところから》射た矢がすべて的に当たること。
「矢所一寸ものかず、五度の―をし給ひければ」〈太平記・一二〉
と【十】
数の、とお。じゅう。多く、名詞の上に付けて用いる。「十月十日」「十人十色」
そ【▽十】
[語素]他の語と複合して、十の意を表す。「三十一文字」「八十じ」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
とお とを【十】
〘名〙
※催馬楽(7C後‐8C)
挿櫛「挿櫛
(さしぐし)は 多宇
(タウ)まり七つ ありしかど」
※
源氏(1001‐14頃)
紅葉賀「とおにあまりぬる人はひひなあそびはいみ侍ものを」
②
物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの一〇。と。
※伊勢物語(10C前)一六「手を折りてあひ見し事をかぞふればとおといひつつ四つは経にけり」
[補注]名詞・
助数詞に直接つくときは「と」となるのが普通だが、「とお」の形がついた例として平安時代に「とおつら(十列)」がある。
と【十】
〘名〙 (「とお」の変化した語)
① 数のとお。じゅう。名詞・助動詞の前に直接つけて用いる。「十重二十重
(とえはたえ)」「
十人十色」「十年
(ととせ)」
※催馬楽(7C後‐8C)桜人「桜人 その舟止め 島つ田を 止万知(トまち)つくれる」
② 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの一〇。
※名語記(1275)四「一二三四五六七八九十を
ひふとて、手に石ふたつをもちてかはりかはりたまにとるに、ひふみよいむなやことといへるは」
とおらい とをらい【十】
〘名〙 江戸時代、
拳(けん)で、数の十
(とお)をいう。
※歌謡・松の
落葉(1710)五・かんふうらん替り「おなじこと梅の花、とうらいきうご五うりうすう」
そ【十】
〘
語素〙 とお。じゅう。「みそ(じ)」「よそ(じ)」「いそ(じ)」「むそ(じ)」「みそひともじ(三十一文字)」「そしろ(十代)」など。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報