十禅師社跡(読み)じゆうぜんじしやあと

日本歴史地名大系 「十禅師社跡」の解説

十禅師社跡
じゆうぜんじしやあと

青蓮院熾盛光しじようこう堂の北東にあった社。のちに同院十楽じゆうらく院の鎮守をも合祀したともいう。「華頂要略」元弘元年(一三三一)一一月条に「御神体、奉十楽院之鎮守十禅師社内」とみえる。神体は僧形の猿の木像応仁の兵火の後、天正二〇年(一五九二)に至って再建されたが、文禄四年(一五九五)一一月再び火災にあい、寛永七年(一六三〇)五月再興された。しかしその後における廃絶の経過は不詳。

十禅師社跡
じゆうぜんじしやあと

[現在地名]東山区北御門町・西御門町

京都市東山区にあった社。「京都府地誌」に「廃十禅師社 旧跡、北御門町、一号車止社、又弁慶社ト云。十禅師森跡ハ、是ヨリ以東、弓矢町ノ南ヲ称ス」とある。一方「坊目誌」は「十禅師ノ社ノ址 西御門町より五町目に跨り其址なり。正面松原通に面せしと云ふ。(中略)社地に大樹数株あり。之を十禅師ノ森と云ふ」と述べ、両説の間に異同がある。当社の実在した江戸時代の地誌、たとえば「都名所図会(安永九年刊)に「晴明社の南にあり」、「山州名跡志(正徳元年刊)に「在松原通宮川町東南方人家」、「山城名跡巡行志(宝暦四年成立)に「在松原大和大路西南方」とみえ、松原まつばら通に面して北御門きたごもん町から西御門町の間にあったことになる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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