十種香(読み)ジシュコウ

デジタル大辞泉 「十種香」の意味・読み・例文・類語

じしゅ‐こう〔‐カウ〕【十種香/×炷香】

《「じしゅごう」とも》
10種類の香の名。栴檀せんだん沈水じんすい蘇合そごう薫陸くんろく鬱金うこん青木せいぼく白膠はっこう零陵れいりょう甘松かんしょう鶏舌けいぜつ
数種の香10包をたき、その香の名をきき当てる遊び。

じっしゅ‐こう〔‐カウ〕【十種香/十×炷香】

じしゅこう(十種香)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「十種香」の意味・わかりやすい解説

十種香
じしゅこう

「じっしゅこう」とも。10種の著名な香の名で、栴檀(せんだん)、沈水(じんすい)、蘇合(そごう)、薫陸(くんろく)、鬱金(うこん)、青木(せいぼく)、白膠(はっこう)、零陵(れいりょう)、甘松(かんしょう)、鶏舌(けいぜつ)の10種。浄瑠璃義太夫節(じょうるりぎだゆうぶし)『本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)』四段目のなかで、ヒロイン八重垣(やえがき)姫が許嫁(いいなずけ)の武田勝頼(かつより)をしのび香をたくくだりがあり、「十種香」の通称で知られる。

[松井俊諭]

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世界大百科事典(旧版)内の十種香の言及

【組香】より

…素材が香木の薫りであるから,それにふさわしい主題は限定され,またあまり複雑な表現は困難である。 組香の原型は15世紀,室町時代に始まる十炷(じつちゆう)香,十種香である。このころ催された香会(こうかい)はほとんどが十種香で,ときには名香合や炷継香(たきつぎこう)も行われた。…

※「十種香」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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