千仏(読み)センブツ

世界大百科事典 第2版の解説

せんぶつ【千仏】

千体仏の略で,ほぼ同形同大の仏像を数多く配列した彫刻絵画をいう。その起源はインドにあり,大乗仏教の成立に伴いしだいに発展した千仏思想が具象化されたものである。アジャンターエローラなどの石窟寺の内部に千仏像が絵画や彫刻で表されている。それが西域から中国,朝鮮を経て日本にも伝えられた。敦煌,雲岡,竜門などの石窟寺にその好例を見ることができる。日本では法隆寺の《玉虫厨子》の内壁や扉,奈良長谷寺の《銅板法華説相図》が7世紀の好作例である。

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大辞林 第三版の解説

せんぶつ【千仏】

過去・現在・未来の三劫にそれぞれ一千体の仏が出現するという信仰。特に現在劫の一千体の仏をいい、釈迦はそのうちの第四仏。

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精選版 日本国語大辞典の解説

せん‐ぶつ【千仏】

〘名〙 仏語。千人の仏。過去荘厳劫(しょうごんごう)、現在賢劫(けんごう)、未来星宿劫(しょうしゅくごう)の三劫(さんごう)に、それぞれ出現するという千人の仏。特に、賢劫の千仏。この千仏は、拘留孫(くるそん)仏にはじまり楼至(るし)仏に至るもので、釈迦牟尼(しゃかむに)仏は、その第四番目の仏にあたるという。
※書紀(720)白雉元年是歳(北野本南北朝期訓)「詔を奉りて千仏(センフツ)の像を刻(え)る」 〔法華玄義‐六・下〕

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