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押出仏 おしだしぶつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

押出仏
おしだしぶつ

造仏技法の一つ。鎚ちょう (ついちょう) 像ともいう。薄い銅板仏像を半肉に浮き出させたもので,多くは表面に箔をおいている。従来の説として原型凹型を用いる技法が認められていたが,近年では反対に凸型を用いて銅板を上部からたたいて仏像を鎚起する技法の説が有力。那智山出土の東京国立博物館蔵『金銅薬師仏』,正倉院蔵『銅如来像』は押出仏の原型。遺品としては法隆寺蔵『玉虫厨子』内の千体仏,同蔵『阿弥陀三尊像』,唐招提寺蔵『十一面観音像』,法隆寺献納宝物の『阿弥陀五尊像』などがある。

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デジタル大辞泉の解説

おしだし‐ぶつ【押出仏】

仏像造法の一。半肉彫りの原型の上に薄い銅板を置き、鎚(つち)で打って原型と同じ像形を浮き出させるもの。また、その像。中国の影響を受け、飛鳥・白鳳・天平時代に盛んに行われた。鎚鍱像(ついちょうぞう)。

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百科事典マイペディアの解説

押出仏【おしだしぶつ】

鎚【ちょう】(ついちょう)像とも。原型の上に薄い銅板を置いて槌(つち)でたたき,浮彫風に打ち出した仏像。中国では南北朝時代から造られ,隋・唐の遺品がある。日本では奈良時代に盛んに行われ,法隆寺や法隆寺献納宝物などに遺品が多い。
→関連項目金銅仏鍛金

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世界大百科事典 第2版の解説

おしだしぶつ【押出仏】

雄型の原型に薄い金属の板をのせ,鎚起(ついき)させて原型を浮彫状に写しとって作る仏像をいう。日本では主に白鳳・天平時代に限って製作された。鎚鍱(ついちよう)仏ともいう。その製作方法は,鋳銅製の浮彫原型に厚さ0.5mmほどの銅板をのせ,鎚で上からたたいて原型の凹凸を銅板に打ち出す。その際,細部を正確に写しとるために,鉛等の軟らかいものを置いてたたいたと考えられる。こうしてできた浮彫状の銅板の細部を鏨(たがね)等で押しつけ,より原型に近づけ,鍍金を施し,髪部等を彩色して仕上げる。

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大辞林 第三版の解説

おしだしぶつ【押出仏】

仏像造法の一。銅製半肉彫りの型に銅板をのせ、上から鎚つちでたたいて仏像を打ち出し細部は鏨たがねで打ち、浮き彫りのようにつくったもの。奈良時代に盛んにつくられた。鎚鍱ついちよう像。

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世界大百科事典内の押出仏の言及

【鍛金】より

…地金は純銅や銀が多く用いられる。奈良時代に盛行した押出仏(おしだしぶつ)も鍛金の一種である。鉄床のかわりに銅鋳製の仏像型を置き,その上に薄い銅板をのせ,上からたたいて型になじませ完全に写しとってからはずしたもので,一つの原型から同じ文様を押し出した薄板を何枚も作りだすことができる。…

【奈良時代美術】より

…さらに塑像に麻布をかけ,漆を塗って乾燥し,内部の粘土を抜く脱活乾漆像も,金銅仏に比すれば製作は容易である。また塼仏の手法を金属に置き換えたのが押出仏(おしだしぶつ)である。鋳型の上に薄い銅板をのせ,鎚によって打ち出すもので,これも量産に適している。…

※「押出仏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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