千歳山(読み)チトセヤマ

デジタル大辞泉 「千歳山」の意味・読み・例文・類語

ちとせ‐やま【千歳山】

《松は千年緑を保つというところから》松の生えている山のこと。
町並門松、これぞ―の山口」〈浮・胸算用・五〉

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精選版 日本国語大辞典 「千歳山」の意味・読み・例文・類語

ちとせ‐やま【千歳山】

  1. [ 1 ] ( 一〇〇〇年の緑をたたえる山の意 ) 松の生えている山。松山
    1. [初出の実例]「真砂より巖となれる千年山こや君が代のためしなるらむ〈よみ人しらず〉」(出典:祐子内親王名所歌合(1061))
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 京都府亀岡市千歳町国分の東方にある牛松山。歌の名所
    2. [ 二 ] 山形市の市街地東方の山。北側山麓に万松寺がある。阿古屋姫の伝説の地。標高四七一メートル。

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日本歴史地名大系 「千歳山」の解説

千歳山
ちとせやま

[現在地名]津市垂水 千歳山

安濃あのう郡南部丘陵の東端、標高四〇メートルの伊勢の海を見はるかす眺望絶佳の山である。山頂に伊勢松といわれる松の巨木があり、藤堂高虎手植松と称されて海の漁師の目標になっていた。現八幡やわたの八幡神社は、社伝によれば足利尊氏によって山頂に祀られていたが、二代津藩主高次の目にとまり寛永九年(一六三二)現地へ移されたという。


千歳山
ちとせやま

山形市街南東部の郊外にそびえ、標高四七一・一メートル。第三紀の石英粗面岩からなり、円錐形のなだらかな曲線をもつ。山形の名勝として親しまれ、樹齢一五〇年以上の赤松の緑に全山が覆われている。旧名阿古耶(阿古屋)と称したともいわれ、北東麓の万松ばんしよう寺には阿古耶姫にまつわる開創伝説がある。姿が美しいので古くから歌に詠まれ、また古来文人墨客が多く訪れている。「平家物語」「源平盛衰記」「藻塩草」「古事談」「東遊雑記」などに「あこやの松」についての記載があり、「夫木抄」に「陸奥のあこやの松に木がくれていでたる月の出でやらぬかな」(読人知らず)の歌が載る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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