改訂新版 世界大百科事典 「博報堂」の意味・わかりやすい解説
博報堂[株] (はくほうどう)
日本の有力な広告会社。1895年10月瀬木博尚(1852-1939)が創業。第2次大戦中までは雑誌の掲載広告や新聞の雑誌書籍広告など,おもにいわゆる出版広告を取り扱う広告代理店であった。初期には当時の大出版社博文館の出版広告を取り扱ったこと,《東京朝日新聞》が1905年1月から第1面を全面にわたって出版広告にあてたときその取扱いをまかされたこと,などが成長の基盤となったとされている。1910年7月,博文館の経営していた小説・文芸ニュースなどを地方紙に配信する内外通信を譲り受けて通信業をも兼営し,社名も内外通信社広告部博報堂と改めた。しかし第2次大戦後,通信業部門は廃止し,同時に出版広告以外の分野の広告にも進出し総合的な広告会社へと転換して発展をとげ,取扱高で電通に次いで第2位。2003年大広,読売広告社と共同持株会社,博報堂DYホールディングスを設立,その子会社となった。
執筆者:内川 芳美
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報