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博山炉 はくざんろBo-shan-lu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

博山炉
はくざんろ
Bo-shan-lu

中国,戦国時代に始り,漢,六朝,唐代まで用いられた香炉海中にそそり立つ博山 (仙人が住むと伝えられる山) を象徴する形に作られ,基本的形式は,盤形の器の上に脚をつけた火袋を置き,ふたはとがった山形で柄がつく。ふたには樹木,禽獣,狩猟文などを配する。材質は陶,玉,青銅,鉄のものがある。朝鮮楽浪郡の石巌里9号墳からは漢代の博山炉が出土している。六朝時代には仏前の香炉として盛んに用いられ,日本には奈良時代仏具として将来された。

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デジタル大辞泉の解説

はくさん‐ろ【博山炉】

中国、漢代に始まる香炉の一。多く青銅製または陶製高坏(たかつき)状で、山岳をかたどったふたがつき、軸部の下に海を表す承盤)がある。日本でも奈良時代に用いられた。

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世界大百科事典 第2版の解説

はくさんろ【博山炉 Bó shān lú】

中国の香炉の一種で,(とう)形の火皿に先端のとがった山形の蓋をもつ。承盤をともなうものも多く,これは海中に浮かぶ神山にたとえたとみられ,神仙道との関係がうかがわれる。戦国末期にあらわれ,漢代に盛行し,青銅製品には金象嵌をほどこした華麗なものがある。江南では東晋,南朝代に青磁製のものがみられる。南北朝代には仏教徒も用い,仏像の台座正面や供養者の持物にあらわされた。隋・唐代には山形の蓋が蓮華をかたどった緑釉陶もつくられた。

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大辞林 第三版の解説

はくさんろ【博山炉】

中国で、漢代に多く作られた香炉。銅製が多い。海を表す皿の上に、透かしのある博山をかたどった蓋ふた付きの炉が浮いたように配されるのが基本形。焚香ふんこうの時に皿に湯を入れる。仏具にも取り入れられ、中国では六朝時代から唐代にかけて、日本では奈良時代に使われた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

博山炉
はくさんろ

中国の香炉の名。海をかたどった受け皿の上から突出した山岳形の蓋(ふた)をもつ香炉で、漢代に始まり、六朝(りくちょう)から唐代まで盛んに用いられた。陶製、玉製、金属製などがあり、この香炉を用いて香を薫ずれば、煙は蓋の山岳の諸所にうがたれた穴から、あたかも雲が山の峰にまつわりつくごとく立ち上る趣向である。薫香の風習はこの独特の器を得て流行し、仏教の香華(こうげ)供養のための不可欠の器具となった。仏像の台座の装飾の至る所に博山香炉をみることができる。名称の由来については、海中にそびえる山岳の意、あるいは山東省の山名によるなど諸説あり、一定しない。[吉村 怜]

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世界大百科事典内の博山炉の言及

【香炉】より

… 古文献によると,このように香で衣服をくゆらせるのは芳香のためだけでなく,害虫から防護する効果を合わせもったことが知られる。香炉のうち,蓋の先端がとがって山形になったものは博山炉とよばれる。多くは浅い皿形の承盤をもち,大海中に浮かぶ神山にたとえたもので,神仙道と関係があろう。…

【山水】より

…殷の奉じたらしい太陽神,周の奉じた天によって神話の神々がその光芒を失ってくると,四岳とか五岳といった世界構成的山岳観があらわれ,天地的世界観,古帝王の系譜,西方世界への夢をのせて崑崙山があらわれ,これは祖霊の帰るところとして楚墓や漢墓の帛画(はくが)や漆画に関係づけられる。漢の博山炉もこのようなイメージの系譜につながるであろう。古い神話的イメージは老荘の思想や説話の中にある程度保存されているが,老荘の哲学が流行した東晋には,顧愷之(こがいし)が〈雲台山記〉で三山構成の霊山表現を示した。…

※「博山炉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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