コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

厭がらせの年齢 いやがらせのねんれい

3件 の用語解説(厭がらせの年齢の意味・用語解説を検索)

世界大百科事典 第2版の解説

いやがらせのねんれい【厭がらせの年齢】

丹羽文雄(1904‐ )の短編小説。1947年(昭和22)《改造》に発表。86歳の老女うめの,いやがらせをすることだけが生きていることのすべてになってしまった化物のような姿を非情な,リアルな筆致で描く。戦後の困窮生活のなかでの人間ばなれした姿だけに,いっそう持てあましものの老醜が浮き出ており,一面,苦笑をさそうユーモアをもただよわせて戦後の一傑作とされた。この作家には最初期から〈生母もの〉と呼ばれる,家を出た実母を取り扱った作品がある。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

デジタル大辞泉の解説

いやがらせのねんれい【厭がらせの年齢】

丹羽文雄の短編小説。人へのいやがらせが生きがいになってしまった老女、うめの姿を描く。昭和22年(1947)、「改造」誌に発表。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

厭がらせの年齢
いやがらせのねんれい

丹羽(にわ)文雄の短編小説。1947年(昭和22)2月『改造』に発表。第二次世界大戦後の家族制度の崩壊、物質的困窮、世相混乱の時代を背景に、1人の老婆を主人公にして、さまざまな老年の問題を織り込んだ問題作。長生きしすぎた老婆は理性的判断を失い、食欲の動物のようになってただ生きている。脳軟化症は日増しにひどくなり、家族はこの老婆のために困惑し苦しめられる。それらの老醜と悲惨とを最初に小説化した作品で、後の有吉佐和子の『恍惚(こうこつ)の人』の先駆をなしている。当時はまだ老人問題なども今日ほど叫ばれてはいなかったが、この小説の題名が一時流行語になったのをみると、かなりの共感をよんだことがわかる。[松本鶴雄]
『『厭がらせの年齢』(新潮文庫)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

厭がらせの年齢の関連キーワード黒猫短編小説丹羽文雄掌編小説中編小説長編小説或阿呆の一生短編赤い影二十一の短編

今日のキーワード

パラチオン、パラチオンメチル

パラチオンは無色で油状の液体、パラチオンメチルはコハク色の液体。ともに毒性が強く、有機リン系殺虫剤として使用された。50年代以降、稲の害虫被害を防ぐことが確認され、広く導入された。しかし、農民の中毒死...

続きを読む

コトバンク for iPhone