デジタル大辞泉
「厳い」の意味・読み・例文・類語
いか・い【▽厳い】
[形][文]いか・し[ク]
1 程度がはなはだしい。大層である。
「前度―・い世話に成った気で」〈鏡花・歌行灯〉
2 大きい。多い。
「能う―・い声を出す方様じゃ」〈露伴・椀久物語〉
3 荒々しい。たけだけしい。→厳し
「おそろしげに、―・きものども、ひと山にみちて」〈宇津保・俊蔭〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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いか・い【厳・大】
- 〘 形容詞口語形活用 〙
[ 文語形 ]いか・し 〘 形容詞ク活用 〙 ( 上代ではシク活用か。→いかし(厳) ) - ① 猛威がある。荒々しい。きびしい。はげしい。いっかい。
- [初出の実例]「おそろしげにいかきものどもひと山に満ちて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
- ② ( よい場合にも、悪い場合にもいう ) 程度が甚だしい。たいそうな。ひどい。いっかい。
- [初出の実例]「孔子もいかい力つよぢゃぞ」(出典:史記抄(1477)一一)
- 「いかい空気(ウツケ)といわるべし」(出典:洒落本・禁現大福帳(1755)一)
- ③ 大きい。多い。壮大である。事物の長、大、多であることをいう。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- [初出の実例]「さて身共は、つひに竹生島へ参らぬが、いかい参りか」(出典:狂言記・竹生島参(1700))
厳いの語誌
( 1 )中古の「いかし」は、「いかめし」が視覚的に荘厳に見えることをいうのに対して、純粋直接に勢威のあることをいう。
( 2 )中古では「荒々しい・厳しい」などの意で用いられていたが、室町時代頃からは「程度が大きい」意で用いられるようになる。近世では上方語的な連用形「いかう」の形が一般に用いられ、「いかく」は東国語としてまれに用いられることはあっても江戸語としてはほとんど用いられなかった。→いこう(厳)。
( 3 )江戸語では「きつい」、上方語では「ゑらい」と「きつい」が一般に用いられたこともあって、「いかい」の勢力は江戸末期には衰退していった。→「いかし(厳)」の語誌
いっか・い【厳】
- 〘 形容詞口語形活用 〙 ( 「いかい(厳)」の変化した語 )
- ① =いかい(厳)①
- [初出の実例]「四つよい物著張って、五ついっかい気色(けしき)で」(出典:浄瑠璃・鎌倉三代記(1716)鳥追大黒舞)
- ② =いかい(厳)②
- [初出の実例]「いはばなをしやれなのたつに をふをふいつかいな」(出典:評判記・役者評判蚰蜒(1674)金子六右衛門)
- ③ =いかい(厳)③
- [初出の実例]「物のいかめしくおほきなることを、〈略〉いっかいとはあしかるべし」(出典:かた言(1650)二)
- 「あたたかな・いっかい尻の退(ひ)いた跡」(出典:雑俳・軽口頓作(1709))
いかい【厳・大】
- 〘 副詞 〙 ( 形容詞「いかい」の連体用法「いかい事」などから変化したものか ) たいそう。ひどく。いっかい。
- [初出の実例]「手おひする役者はいかいくたびれふ」(出典:雑俳・蓬莱山(1709))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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