古典的(読み)こてんてき(英語表記)classic

翻訳|classic

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「古典的」の解説

古典的
こてんてき
classic

芸術,文学において,基準とすべき作品や様式に対する価値概念として用いられる場合と,単に様式概念として用いられる場合がある。古代ローマの市民は6階級に分けられていたが,その最上級はクラシクス Classicusと呼ばれていた。その意味より転じて,芸術上の最高傑作をも古典と称するようになる。特に古代文芸の復興を目指したルネサンスを経験したヨーロッパでは,ギリシア,ローマの美術文芸が芸術の理想的典型と考えられたため,これらが価値判断上または様式上,古典的の名で呼ばれたのが本来の用語法であった。しかし広義には,時代の批判をくぐって,なおかつその価値が確認され,一つの模範として永遠性をもつと考えられる芸術品をも,価値判断上古典と呼ぶ。したがってギリシア,ローマの芸術のみならず,ほかの時代,ほかの民族の芸術品でも,その文化圏において同様に模範的,典型的な価値を認められた場合は,古典的と呼ばれる。そしてまた単に様式上の用語として古典的という場合は,ロマン主義的あるいはバロックに対する類型概念として解釈されることもある。その場合は,厳格なフォルム,左右相称 (シンメトリー) を基盤とする統一的で調和した構成,明晰な表現などが様式特徴としてあげられる。

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精選版 日本国語大辞典「古典的」の解説

こてん‐てき【古典的】

〘形動〙 古典をまね、重んじる傾向があるさま。また、古典としての価値のあるさま。古典の、傾向のあるさま。
※青年(1910‐11)〈森鴎外〉九「そこでその古典的(コテンテキ)なシエエクスピイアがどう演ぜられたか」
※白い髪の童女(1969)〈倉橋由美子〉「名前も古典的だし」

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デジタル大辞泉「古典的」の解説

こてん‐てき【古典的】

[形動]
古典とよばれるにふさわしい文化的な価値があるさま。「古典的名著
古典を重んじ、伝統や形式を尊ぶさま。「古典的図柄

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