古史徴(読み)コシチョウ

関連語 野口

精選版 日本国語大辞典 「古史徴」の意味・読み・例文・類語

こしちょう【古史徴】

  1. 江戸後期の国学書。四巻一一冊。平田篤胤著。文化八年(一八一一成立、文政元~二年(一八一八‐一九)刊。古伝説の起源、神代文字の存在論、記紀・国史・風土記・古辞書などの古典や儀式・年中行事について、祝詞と「新撰姓氏録」を記紀以上に重んじる。独創的な学識が見られるが、神代文字や和銅上奏日本紀に関する論は、現代では認められていない。

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改訂新版 世界大百科事典 「古史徴」の意味・わかりやすい解説

古史徴 (こしちょう)

平田篤胤(あつたね)の国学書。1819年(文政2)刊。4巻。別名《古史或問(わくもん)》。みずから正史本文として撰した《古史成文》の出処ならびにその撰定事由を論証した著述である。本書は,篤胤がはじめ〈死後門弟〉として先師と仰いだ本居宣長の国学がもっぱら《古事記》に依拠していることに疑問を抱き,《日本書紀》その他の古文献から任意に選んだ本文を合成して,篤胤独自の〈神典〉を作ったことで知られる。
古史伝
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旺文社日本史事典 三訂版 「古史徴」の解説

古史徴
こしちょう

江戸後期,平田篤胤 (あつたね) の著した神代古伝説の研究書
1818〜19年刊。4巻11冊。篤胤の構成した古代史『古史成文』の典拠として,古典を比較研究したもの。古代史研究の入門書。考証的であるが歴史神話を混同したところもみられる。

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