出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
平田篤胤(あつたね)の著書。37巻。1811年(文化8)に書き始められたが生存中には28巻まで。あとは矢野玄道がまとめた。本居宣長(もとおりのりなが)の『古事記伝』を模するが、神代(じんだい)に限られ、篤胤が神話、伝説などを用いて自作した本文に注をつける形式による。内容は『霊(たま)の真柱(みはしら)』の主張を推し進めたものであるが、注目すべきは『霊の真柱』では大国主(おおくにぬし)神による幽政は天皇の顕政に従属するとされていたのが、本書では、此世(このよ)は「寓世(かりのよ)」で、「幽世(かくりよ)」こそが「本世(もとつよ)」であると変わっていることである。そこには篤胤自身が示唆するごとく、天主教書の影響がみられるとの説が有力である。
[田原嗣郎]
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