親和(読み)シンワ

デジタル大辞泉 「親和」の意味・読み・例文・類語

しん‐わ【親和】

[名](スル)連声れんじょうで「しんな」とも》
互いになごやかに親しむこと。なじみ、仲よくなること。「会員間の親和を図る」
両国―するの大益を」〈新聞雑誌二一〉
異種物質がよく化合すること。
[類語]親善善隣修好和親宥和協和

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精選版 日本国語大辞典 「親和」の意味・読み・例文・類語

しん‐わ【親和】

〘名〙 (連声(れんじょう)で「しんな」とも)
① 互いに仲よくすること。親睦。和熟。しんか。
※改正増補和訳英辞書(1869)「Relate 話ス。拘ハル。親和(シンワ)スル」
※新聞雑誌‐二一号・明治四年(1871)一一月「此両国親和するの大益を忘るる程の」 〔史記‐五帝紀〕
化学で、異種の物質が、よく化合すること。
舎密開宗(1837‐47)内「天地間異類の万物各々親和〈遏費尼荅斯〉の力徳を具へざる者莫し。然れども其の彼と此とを択ばず甲と乙とに拘らず尽く親和するにあらず」

しん‐な ‥ワ【親和】

〘名〙 (「しんわ(親和)」の連声) ⇒しんわ(親和)

しんな シンワ【親和】

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「親和」の意味・わかりやすい解説

親和
しんわ

一般的には、他人と仲よく親しみ睦(むつ)み合うことであるが、心理学では、affiliationの訳語として用いられ、他人との身体的接触目線の交わし合いなどを含む、特定他者と身近に接していようとしたり、特定の集団に参加しようとしたりする行動、状態、要求をさし、社会生活を成立させる基盤の一つとみなされている。人が特定の他者や集団に接近しようとする場合には、その人の個人的な要求を実現する手段として(たとえば、趣味のテニスを楽しむためにテニスクラブに入会する)、他方、他者との接近それ自体を目的として(それにより他者からの承認支持、心の安定を得る)という二つの場合が、相対的に区別される。親和行動ないし要求の起源は、幼少時における要求実現や不安解消のための母親への依存性にあるとされているが、それがどのようにして親和行動ないし要求へと発展するか、同年齢の児童との接触経験の果たす役割などは、今後の研究課題である。

[辻 正三]

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普及版 字通 「親和」の読み・字形・画数・意味

【親和】しんわ

仲良し

字通「親」の項目を見る

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