デジタル大辞泉
「名乗る」の意味・読み・例文・類語
な‐の・る【名乗る/名▽告る】
[動ラ五(四)]
1 自分の姓名・身分などを相手に告げる。「名を―・ってから話を切り出す」
2 自分の名としていう。称する。「芸名を―・る」「二代目を―・る」
3 売り物の名を呼ぶ。
「海老、鰯、小貝やうの物、―・りて過ぐる事も明け暮れなり」〈鶉衣・七景記〉
[可能]なのれる
[類語]称する・称える
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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な‐の・る【名乗・名告】
- 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 ( 後世、「名をなのる」などのように、他動詞的にも用いる )
- ① 自分の姓名・素姓・身分などを相手に告げ知らせる。そういう名であることをみずからいう。自分から名などを明らかにする。
- [初出の実例]「百済国より、逃化来(にけまうけ)る者有り。自ら称名(ナノリ)て貴信と曰ふ」(出典:日本書紀(720)雄略一一年七月(前田本訓))
- ② 自分がその当人であることを申し出る。自分にかかわっている事や物であることを告げる。告白する。白状する。名のりでる。
- [初出の実例]「我が家ともなのらで有りつるは。かうし給ふ時こそ、かかる事どもありけりともいはめ」(出典:落窪物語(10C後)三)
- ③ 名前としてつける。称する。また、そういう名である。
- [初出の実例]「子息一人養子にして、清国となのらせ」(出典:平家物語(13C前)六)
- ④ 能や狂言などで、登場した役がまず自分の名や身分、事の成り行き、今後の展開を自己紹介的に述べる。
- ⑤ 虫・鳥などが存在を知らせて鳴く。虫・鳥などが鳴声をたてる。
- [初出の実例]「ねぶたしとおもひてふしたるに、蚊のほそごゑにわびしげに名のりて、顔のほどとびありく」(出典:枕草子(10C終)二八)
- ⑥ 行商人などが、品物を売る際に、その品物の名を叫ぶ。売り声をあげる。
- [初出の実例]「はかばか敷商人は来らね共、海老・鰯・小貝やうの物、名のりて過る事も明くれなり」(出典:俳諧・鶉衣(1727‐79)続)
- ⑦ 相撲で、行司が勝った力士の方へ軍配を上げて名を呼びあげる。
- [初出の実例]「行司団(うちわ)をあげ、〈略〉と名乗(ナノリ)ければ」(出典:咄本・軽口御前男(1703)一)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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