酒石酸アンチモニルカリウム(酒石酸カリウムアンチモニウム)ともいい、17世紀ころから医薬品として使われてきた。現在ではまったく使用されていない。かつては第四性病、カラ・アザール、日本住血吸虫症、肝ジストマ、フィラリア症など、抗原虫剤として使用された。副作用として悪心(おしん)、嘔吐(おうと)がみられることから催吐剤としても用いられ、また去痰(きょたん)作用もみられることから去痰剤としても使用されたことがある。しかし、下痢や腹痛など副作用が強く、前述のように現在は使用されていない。なお、農薬として殺虫剤などに使われるほか、繊維や皮革類の媒染剤、あるいは分析試薬などとしての用途が知られる。
[幸保文治]
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出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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