呼吸器系の検査

四訂版 病院で受ける検査がわかる本 「呼吸器系の検査」の解説

呼吸器系の検査

呼吸器系のおもな検査と病気


●胸部単純X線撮影検査(→参照

 ⇒肺がん、肺結核肺炎肺気腫気管支炎、気胸などを検査します。

●気管支内視鏡検査(→参照

 ⇒肺がん、肺結核、サルコイドーシス、肺繊維症などを検査します。

●胸部CT検査(→参照

 ⇒肺がん、肺結核、肺炎、肺気腫、気管支拡張症、がん性胸膜炎などを検査します。

●肺機能検査(→参照

 ⇒拘束こうそく性肺機能障害(肺結核、肺線維症など)、閉塞性肺機能障害(肺気腫、気管支喘息ぜんそくなど)か否かを検査します。

●喀痰検査(喀痰細胞診)(→参照

 ⇒肺がんを検査します。

●アプノモニター検査(→参照

 ⇒睡眠時無呼吸症候群を検査します。

 呼吸とは、酸素をとり入れて二酸化炭素を排出するガス交換のこと。呼吸器系は、鼻から肺までの呼吸に関わるすべての総称ですが、一般に呼吸器系というときは、気管、気管支、肺、胸膜をさします。肺は円錐状の臓器で、その中には肺胞という小さな袋が何百万個もつまっていて、ここでガス交換を行っています。

 呼吸器系の病気には、以下のようなものがあります。

●肺がん

 肺にできるがん。がんができる部位で大別すると、肺の奥のほうにできる末梢型がんと、肺の中心部(肺門)や気管支の太い部分にできる肺門型がんがある。末梢型がんの症状はとくになし。肺門型がんも早期のころはほとんどないが、頻度の高い症状はせきたん、とくに血痰。その他、胸痛、背部痛、息切れ発熱、体重減少など。

●慢性閉塞性肺疾患(COPD)

 慢性気管支炎と肺気腫、またはその両方の併発によっておこる閉塞性換気障害を特徴とする病気。慢性気管支炎は、気管支内の粘液の分泌が過剰な状態で、咳や痰が少なくても2年以上連続し、1年のうちに少なくても3カ月以上、その大部分の日に認められる病気。肺気腫は、肺の中の肺胞の壁が壊れ、周囲の肺胞と合体して大きな袋状となり、肺全体が膨らむ病気。おもな症状は、息切れ、呼吸困難など。

●肺結核

 結核菌の感染によっておこる病気。おもな症状は、咳、痰、発熱、胸痛など。

●肺線維症

 肺に線維性結合組織が増殖して肺の組織が硬くなり、機能を失う病気。おもな症状は、労作時の呼吸困難、進行すると会話時、安静時の息切れなど。

●気胸

 気胸とは肺の表面に穴があき、胸膜下に空気が漏れ出る状態。最も多いのが、とくに原因もなくおこる自然気胸で、おもな症状は突然におこる胸痛、息苦しさ、呼吸困難など。

出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報