光を和らげ塵に同ずること、すなわち、自らの智徳(ちとく)の光を隠して世俗のなかに立ち交じること。『老子』第4章、第56章に「其(そ)の光を和し、其の塵に同ず」として出る。それがのちに仏教に取り入れられ、『注維摩詰経(ちゅうゆいまきつきょう)』や天台の『摩訶止観(まかしかん)』では、仏・菩薩(ぼさつ)が衆生(しゅじょう)教化のために、その本身を変じて応化(おうけ)の姿をとることをいうようになった。さらに日本では本地垂迹(ほんじすいじゃく)説に関して用いられるようになり、仏・菩薩が日本の神祇(しんぎ)としてかりに姿を現すことをさすようになった。和光垂迹ともいう。
[末木文美士]
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…その代表的なものは紀州熊野信仰である。 中世,習合思想のスローガンであった和光同塵(わこうどうじん)の語はその源は中国の道教にあるが,仏菩薩がその慈悲広大の光を隠し人間俗界の塵に交じって神とあらわれる化身的意味に用い,これを各地の神社について民衆にわかりやすく説くため歴史物語化した縁起の類がつくられ,これが絵巻物や本地物とよばれる一群の御伽草子となっていっそう普及した。また密教の曼荼羅(まんだら)をまねて神祇の姿あるいは本地となる仏の像を並べ,これに社頭の風物を配した習合(垂迹)曼荼羅図がつくられたのは,社参の労を省き,日常生活のなかで御利益を祈る礼拝対象とせんがためであった。…
※「和光同塵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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