六訂版 家庭医学大全科 の解説
咳・痰が多い、痰に血が混じる
せき・たんがおおい、たんにちがまじる
Increased cough and sputum, bloody sputum
(お年寄りの病気)
どのような状態か
必要な検査と疑われる病気
高齢者では普段から咳、痰をしていることが多く、原因となる病気を見逃すおそれがあります。元気な時との違いに注意して、少し症状が悪くなったらすぐに胸部X線撮影など、必要な検査をすべきです。
急な咳や痰はウイルス性の気道感染で多く、膿んでいる痰の場合は細菌感染が多くみられます。この場合、痰をスライドグラスに塗って病原菌を顕微鏡で調べたり、病原菌を培養してチェックすることや、胸部X線撮影が必要です。
いつも痰の出る咳をしている場合、細菌による肺炎や
痰のない咳をいつもしている場合は、間質性(かんしつせい)肺炎・気管支喘息(ぜんそく)などに注意すべきです。胃食道逆流による咳・痰や薬の副作用による咳(高血圧の薬であるACE阻害薬など)も時々みられます。肺がんの場合もあるので、胸部X線撮影とともに、痰にがん細胞が含まれていないか顕微鏡で調べること(細胞診)も重要です。
血痰の場合、肺がん、肺炎や気管支炎(一般細菌、結核菌)、気管支拡張症、
家庭での対処のしかた
高齢者の場合、咳・痰などの症状が軽いことが多く原因もさまざまなので、まずは医療機関を受診することが大切です。とくにいつもの咳・痰と違う時は、すぐに医療機関を受診しましょう。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報