精選版 日本国語大辞典 「嗜」の意味・読み・例文・類語 たしなみ【嗜】 〘 名詞 〙 ( 動詞「たしなむ(嗜)」の連用形の名詞化 )① 芸事などに親しむこと。[初出の実例]「およそ、女懸り、若き為手(して)のたしなみに似あふ事なり」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)二)② 日頃の心がけ。そのものとしての、立場としての心得。用意。覚悟。[初出の実例]「朝暮只武勇の御嗜(タシナミ)の外は他事なし」(出典:太平記(14C後)二)③ つつしみ。節制。[初出の実例]「Castus〈略〉キレイ ナル、taxinami(タシナミ) アル モノ、フボンヲ タモツ モノ フインヲ タモツ モノ」(出典:羅葡日辞書(1595))④ 身を飾ること。おしゃれ。身だしなみ。[初出の実例]「すつる身を、何たしなみの髪化粧(かみけはひ)」(出典:読本・占夢南柯後記(1812)六)⑤ 嗜好品などを適度に口にすること。 たしみ【嗜】 〘 名詞 〙 ( 動詞「たしむ(嗜)」の連用形の名詞化 ) たしむこと。このむこと。嗜好。[初出の実例]「そのおのれてふ自儘者は種々の趣好(タシミ)あるものよ」(出典:蓬莱曲(1891)〈北村透谷〉二) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「嗜」の読み・字形・画数・意味 嗜13画 [字音] シ[字訓] たしなむ・このむ[説文解字] [字形] 形声声符は耆(し)。〔説文〕二上に「喜びて之れを欲するなり」(段注本)と喜・嗜の畳韻を以て訓するが、必ずしも喜悦の意があるわけではない。耆はおそらく老と旨の会意字で、老いて旨しとするもの。それに口をそえて嗜好の意としたのであろう。もと飲食についていう語であるが、〔孟子、梁恵王上〕「人をすことを嗜(この)まざる」のように、広く好悪の意に用いる。[訓義]1. たしなむ、飲食したいとおもう。2. このむ、ふける。[古辞書の訓]〔名義抄〕嗜 タシフ・タシナム・フクム・フフム・アヂハフ・フケル・オモネル・ムサボル・コノム・マナブ[熟語]嗜愛▶・嗜音▶・嗜痂▶・嗜学▶・嗜玩▶・嗜義▶・嗜古▶・嗜好▶・嗜財▶・嗜殺▶・嗜酒▶・嗜書▶・嗜尚▶・嗜寝▶・嗜爪▶・嗜癖▶・嗜僻▶・嗜眠▶・嗜▶・嗜▶・嗜欲▶・嗜慾▶・嗜利▶[下接語]愛嗜・甘嗜・酷嗜・情嗜・食嗜・神嗜・絶嗜・耽嗜・貪嗜・騁嗜 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報