哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。家畜イヌの1品種で、日本原産。高知県で獣猟に用いられていた中形種で、かつて土佐犬(とさのいぬ)といわれていたこともあったが、土佐闘犬(土佐犬(とさけん))と混同しやすいために、四国犬と改められた。土佐闘犬のもとともなった気性の激しい犬である。体格はほかの中形日本犬と同様で、体高43~55センチメートル、体重15~20キログラムぐらいである。毛色は黒胡麻(ごま)、赤胡麻、胡麻がほとんどを占める。体形は筋肉の発達がよく、頑健であるが動作は軽快で、非常に俊敏な印象を与える。なかでも口唇部がオオカミのように白色を呈する胡麻毛のものは、野生的な印象がある。家庭犬としても愛好者が多い。1937年(昭和12)に天然記念物に指定されている。
[増井光子]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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