四穴(読み)シケツ

デジタル大辞泉 「四穴」の意味・読み・例文・類語

し‐けつ【四穴】

日本楽器調律に用いた器具。長さ約8センチ、直径約1.5センチの竹または象牙製の筒状の管で、一端和紙でふさぎ、管の前面三つ背面一つの指孔を設けたもの。和紙をはじいて音を出し、指孔の押さえ方で一二律すべてが得られる。

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精選版 日本国語大辞典 「四穴」の意味・読み・例文・類語

し‐けつ【四穴】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代、盲人箏曲家に用いられた調律器具。全長約七・五センチメートル。直径約一・五センチメートルの竹または象牙(ぞうげ)製の管で、一端を薄板でおおい、管の前面に三穴、背面に一穴を設ける。左手指で穴を開閉し、開端を耳に近づけ、閉面をはじいて音を聞く。〔八帖花伝書(1573‐92)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「四穴」の意味・わかりやすい解説

四穴 (しけつ)

日本の調律器具の一種。一竹(いつちく)ともいう。箏を調弦するときに用いられる調子笛の一種で,18世紀前期ごろの三橋(みつはし)検校創案ともいわれる。江戸時代の盲人箏曲家に用いられたが,現在でも使用する人がある。竹または象牙製の円筒形の管(長さ約7.5cm,直径約1.5cm)の下端弾力のある薄板か厚紙でおおい,表側に3個,裏側に1個の指孔を開けたもの。左手指で指孔を開閉し,管の開いた端を耳に近づけて,閉じた端を右指端で強くはじいてその音を聞き取る。指孔の開閉で十二律の各音が得られる。
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