精選版 日本国語大辞典「困」の解説
こま・る【困】
〘自ラ五(四)〙
① どうしてよいかわからなくて苦しむ。処置判断のしようがなくて悩む。もてあます。
※俳諧・俳諧勧進牒(1691)上「寒さにはこまりながらも芳野哉〈観活坊〉」
② 物がなくて苦しむ。欠乏して難儀する。逼迫(ひっぱく)する。窮する。
※滑稽本・浮世床(1813‐23)初「行所のない時居るつもりト寐所にこまる時泊るあてに」
※安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二「日々の小づかひにもこまらないし」
③ 被害を受ける。迷惑する。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「兎角おとっさま殿があまやかし過てこまります」
④ (「こまった」の形で連体修飾語として用いて) 手に負えない状態になる。扱いに苦しむ。
※真理の春(1930)〈細田民樹〉島の噴煙「困(コマ)った青年が今朝こちらへ、東京を発(た)ったらしいんですわ」
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