国家安全保障戦略(読み)コッカアンゼンホショウセンリャク(英語表記)National Security Strategy

デジタル大辞泉 「国家安全保障戦略」の意味・読み・例文・類語

こっかあんぜんほしょう‐せんりゃく〔コクカアンゼンホシヤウ‐〕【国家安全保障戦略】

外交防衛中心とした国家安全保障に関する基本方針日本は平成25年(2013)に初めて策定NSS(National Security Strategy)。

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共同通信ニュース用語解説 「国家安全保障戦略」の解説

国家安全保障戦略

政府が2022年12月に閣議決定した外交・安全保障政策の基本指針。対象期間は10年間。同盟国だけでなく同志国とも連携し、自由で開かれた国際秩序を実現すると打ち出した。同志国との安保協力を深化させるため、政府開発援助(ODA)とは別に装備品・物資の提供やインフラ整備を行うと明記。新たな制度である「政府安全保障能力強化支援(OSA)」を念頭に「軍などが裨益ひえき者となる新たな協力の枠組み」の創設を盛り込んだ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国家安全保障戦略」の意味・わかりやすい解説

国家安全保障戦略[日本]
こっかあんぜんほしょうせんりゃく[にほん]
National Security Strategy

2013年国家安全保障会議安倍晋三内閣の閣議で決定された,日本の中長期的な安全保障政策の指針となる戦略。1957年に決定された「国防の基本方針」に代わるものとして策定された。基本理念として,国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から,国際社会の平和や安定,繁栄へ積極的に寄与することを掲げる。国家間のパワーバランスの変化,グローバル化や技術革新による非国家主体の影響力の増大大量破壊兵器拡散テロリズム脅威などを安全保障環境ととらえ,朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)の軍事力増強や中国の急速な台頭をアジア太平洋地域における課題に位置づけた。戦略的アプローチとして,外交の強化や総合的な防衛体制の構築,海洋安全保障の確保,サイバーセキュリティや情報機能の強化,防衛装備品の国際的な共同開発,移転に関する新たな原則(→武器輸出三原則)の策定,宇宙空間の安定的利用の確保などがあげられ,日米同盟(→日米安全保障条約)の強化も明記された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国家安全保障戦略」の意味・わかりやすい解説

国家安全保障戦略
こっかあんぜんほしょうせんりゃく

外交・安全保障の基本方針。おおむね10年程度の期間を念頭におく内容で、閣議決定後、国家安全保障会議での議論を経て定期的に修正が加えられる。英語の呼称であるNational Security Strategyの頭文字をとりNSSとも称する。2013年(平成25)12月に閣議決定された最初のNSSは、積極的平和主義の立場から国際平和に寄与することを理念としている。また、アジア・太平洋地域においては、北朝鮮による周辺諸国への挑発行動や中国の海洋方面への軍事的膨張を国際社会の懸念事項としている。こうした脅威への対策として、日米同盟の強化、韓国、オーストラリア、ASEAN(アセアン)(東南アジア諸国連合)、インドなど民主主義諸国との協力関係の強化や国連外交の強化など、総合的な施策が記されている。

[編集部]

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