国旗国歌法(読み)コッキコッカホウ

デジタル大辞泉 「国旗国歌法」の意味・読み・例文・類語

こっきこっか‐ほう〔コクキコクカハフ〕【国旗国歌法】

《「国旗及び国歌に関する法律」の略称日章旗を国旗、君が代を国歌と定めた法律。平成11年(1999)8月施行

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国旗国歌法」の意味・わかりやすい解説

国旗・国歌法
こっきこっかほう

正式名称は「国旗及び国歌に関する法律」。1999年(平成11)8月13日公布、施行(平成11年法律第127号)。国旗は日章旗とすることとし、その制式を定め、国歌は『君が代』とすることとし、その歌詞および楽曲を定める。日の丸と『君が代』が長年の慣行によりわが国の国旗と国歌であるとの認識が国民の間に広く定着していることを踏まえ、21世紀を迎えることを一つの契機として、成文法にその根拠を明確に規定することが必要として法制化されたものである。「君が代」の語句解釈争点となったが、政府は「君」は日本国および日本国民統合の象徴であり、その地位主権の存する日本国民の総意に基づく天皇のことをさすとし、「君が代」とは、日本国民の総意に基づき、天皇を日本国および日本国民統合の象徴とするわが国のことであるとしている。法制化にあたり、国旗の掲揚および国歌の斉唱に関し義務づけを行うことは考えておらず、学校における国旗および国歌の指導についても、その方針に変更が生ずるものではないとの答弁がなされている。

[浅野一郎・浅野善治]

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百科事典マイペディア 「国旗国歌法」の意味・わかりやすい解説

国旗国歌法【こっきこっかほう】

日の丸を国旗,君が代を国歌として法制化した法律で,小渕恵三内閣のもとで1999年8月13日に公布・施行された。正式名称は国旗及び国歌に関する法律。〈国旗は,日章旗とする〉〈国歌は,君が代とする〉の2条からなる。〈別記第一〉で日章旗の寸法について,縦は横の3分の2,日章の直径は縦の5分の3,日章の中心は旗の中心,彩色は地が白色,日章は紅色と,日章旗の制式が定められている。また〈別記第二〉で君が代の歌詞〈君が代は 千代八千代に さざれ石の いわおとなりて こけのむすまで〉が記されている。義務規定や罰則規定は盛り込まれていない。1999年3月,卒業式での君が代斉唱をめぐる問題に悩んで広島県の公立高校校長が自殺した事件を契機に,自民党が法制化に踏み切ったもの。国旗・国歌法によって初めて日の丸を国旗とし,君が代を国歌とする法的根拠が生まれた。しかし,国歌に記された〈君〉の解釈の未決着,憲法で保証された〈思想・良心の自由〉との関連,さらに学校教育の現場において国旗掲揚・国歌斉唱を義務とせずにどのように指導するかなど,さまざまな議論を呼んでいる。
→関連項目日本

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国旗国歌法」の意味・わかりやすい解説

国旗・国歌法
こっき・こっかほう

「日の丸」を国旗,「君が代」を国歌と定めた法律。 1999年8月に成立。政府・自民党のなかには従来より日の丸・君が代の法制化を進める機運があった。それに対し,戦前の日本の天皇制,軍国主義を象徴するものとして内外に根強い反対もあったが,法案提出後,両院での実質的な委員会審議は 12日間のみという速さで,自民,自由,公明,民主の一部による圧倒的多数で成立した。日章旗の図案やサイズ,君が代の歌詞,楽譜も別記された。義務規定,罰則規定は盛込まれず,強制力はないとされている。

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旺文社日本史事典 三訂版 「国旗国歌法」の解説

国旗・国歌法
こっき・こっかほう

国旗および国歌に関する法律
1999年8月,日の丸を国旗とし,君が代を国歌とする法律が成立し,公布された。日の丸掲揚,君が代斉唱の指導をめぐって,'99年3月,広島の県立高校校長が自殺したことをきっかけに,自自公3党で法制化がすすめられた。

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