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国民審査 こくみんしんさ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国民審査
こくみんしんさ

国民が直接投票することによって,法律や公務員などの適否を審査する制度。人民投票の一つ。日本国憲法は,最高裁判所裁判官についてこの制度を取入れている (79条) 。すなわち,最高裁判所裁判官の任命は,任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際,国民の審査に付し,その後 10年を経過したのち,初めて行われる総選挙の際にさらに審査に付し,その後も同様とするものとし,審査の際投票者の多数が罷免を可とするときは,その裁判官は罷免されるものとしている。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

国民審査

中央レベルで制度化されている直接参加として、最高裁裁判官の国民審査がある。職務に適切な人物かどうか、国民が直接意思表示する制度である。内閣によって任命された裁判官は、任命後初の総選挙の時に国民審査され、その後は10年を超えるごとに総選挙の時に再審査される。国民の過半数が罷免を求めた裁判官は、憲法79条に基づき罷免される。辞めさせたい意思があれば投票用紙に×印を、なければ何も記入しない。もう1つの直接的参加の形態である国民投票は、憲法改正に関する手続きの1つである。日本国憲法を改正するためには、衆参両院議員の3分の2の賛成で国会が発議し、そののち、国民投票で過半数の賛成を得なければならない。

(蒲島郁夫 東京大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

国民審査

憲法79条が定める制度で、最高裁の15人の裁判官は任命後初めての衆院選と、その後10年を経過するごとの衆院選の際に審査を受ける。国民は罷免(ひめん)すべきだと思う裁判官に×印を付け、有効投票の過半数で罷免となる。過去に罷免された例はなく、前回2009年の不信任票は7%前後にとどまった。

(2011-04-27 朝日新聞 朝刊 5総合)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

こくみん‐しんさ【国民審査】

最高裁判所裁判官の適・不適を国民が審査すること。また、その制度。各裁判官任命後の最初の衆議院議員総選挙の際に行われ、さらに、10年経過したのちの衆議院議員総選挙の際に同様な審査を行う。有効投票の過半数が罷免を可とした場合、その裁判官は罷免される。裁判官国民審査。

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百科事典マイペディアの解説

国民審査【こくみんしんさ】

最高裁判所裁判官を解職するか否かを国民投票によって決めること。特に最高裁が違憲立法審査権終審裁判所であることを考慮して,その裁判官を有権者に判断させるという趣旨の制度である。
→関連項目最高裁判所裁判官参政権中央選挙管理会投票リコール

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世界大百科事典 第2版の解説

こくみんしんさ【国民審査】

一般には,直接民主制の現れとして,国民が直接,国民投票等によって,法律・条約や公務員の任免等の適否を審査することを意味するが,日本では最高裁判所裁判官の任命の国民審査を指すのが通常である。 日本国憲法79条2項・3項は,最高裁判所の裁判官が任命されたときは,その任命後初めて行われる衆議院議員の総選挙のときに,国民の審査を受けなければならず,その後10年を経過するごとに,その後初めて行われる衆議院議員総選挙のときにあらためて国民の審査を受けなければならないが,その結果投票をした国民の過半数がその裁判官の罷免を可とするときは,裁判官は罷免される,と規定している。

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大辞林 第三版の解説

こくみんしんさ【国民審査】

国民が直接に公務員あるいは法律を審査する制度。日本では最高裁判所の裁判官に対して、衆議院選挙の際に行われ、有効投票の過半数が罷免を可とする時、その裁判官は罷免される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国民審査
こくみんしんさ
national review

直接民主制の一つで、一般に国民が直接に法律、公務員などを審査する制度をいう。日本では、内閣が任命した最高裁判所裁判官を国民が国民投票によって審査する制度をさす。
 この制度は、裁判官公選の弊害を痛感したアメリカ合衆国において、1937年アメリカ法曹協会によって、各州で行われている裁判官公選にかわるものとして考案された。すなわち、法曹協会が裁判官の選任を一定の条件のもとに行政部にゆだね、一定期間後に国民投票によってこれらを罷免しうるという制度を考案し、この方式を各州で採用するようすすめ、ミズーリ州がこの方式を採用した。
 日本では、最高裁判所裁判官に対する民主的なコントロールの方法として、国民投票によってこれを審査することが憲法に定められているが、この方法についてはアメリカの影響があるといわれている。国民投票は任命後の最初の衆議院議員総選挙のときに行い、その後10年を経過したのち初めて行われる衆議院議員総選挙のときさらに行い、その後も同様とされる。投票者の多数が罷免を可としたときは、その裁判官は罷免される(憲法79条3項)。この制度は憲法第15条の国民の公務員選定権・罷免権の一つの表れであり、その働きは任命の事後審査とリコールの二側面をもっている。国民審査が最高裁判所裁判官にだけ適用される趣旨は、それが非常に重要な地位であり、その在任について国民の判断の機会を認めることが民主主義のたてまえから望ましいと考えられたためである。
 しかし、もともとこの制度は裁判官公選制にかわるものとして考えられたもので、公選制の伝統のない日本では、裁判官についての知識が薄いところから、この制度の是非がしばしば論議の対象とされてきた。事実、国民審査により罷免された裁判官は現在まで1人もないというだけでなく、罷免を可とする投票は、否とする投票の10%前後にすぎず、現状維持的な決定しか生み出していないとの批判もある。しかし、なによりも主権者である国民に、最高裁判所の構成についてコントロールの権利を認めることは、直接民主制にとって当然であり、少なくとも政府の情実人事に対する安全弁としての役割は果たしうると考えられる。そのためにはその審査・手続に関してよりよい手段が望まれ、とりわけ、判断できないという趣旨の無記入の投票も罷免の意思がないと判断されて、すべて否の投票として数えられるため、罷免について「可」「否」の記入投票に変えたほうがよいという改正意見が主張されている。[池田政章]

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