国際化学オリンピック(読み)コクサイカガクオリンピック(英語表記)International Chemistry Olympiad

デジタル大辞泉 「国際化学オリンピック」の意味・読み・例文・類語

こくさい‐かがくオリンピック〔‐クワガク‐〕【国際化学オリンピック】

国際科学オリンピック一つで、化学に関する知識とその応用力を競う国際コンテスト。略称IChO(International Chemistry Olympiad)。20歳未満で中等教育課程(主として高等学校)に在学する生徒対象。1968年開始。日本では日本化学会が主催する化学グランプリの成績優秀者を中心に代表選考が行われる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際化学オリンピック」の意味・わかりやすい解説

国際化学オリンピック
こくさいかがくおりんぴっく
International Chemistry Olympiad

化学に関する知識とその応用力を競う国際大会。国際科学オリンピックの一つである。略称IChO。20歳未満で中等教育課程(主として高等学校)に在学する生徒が対象。化学の能力に秀でた世界の学生が実力を競い、交流を深めることが目的である。大会は1968年からハンガリー、当時のチェコスロバキアポーランドの東欧3か国によって行われていた高校生の学力試験が発展したものである。第1回大会はプラハ(チェコスロバキア)で開かれ、当初は社会主義国からの参加が中心であったが、1984年にアメリカが初参加してから、世界の多くの国が参加するようになった。毎年1回、7月に約10日間の日程で開かれており、参加国は4名以内の選手団を派遣することができる。2010年代に入ってからは約70の国と地域から300人近い生徒が参加している。日本は2003年に開かれた第35回アテネ大会から出場。2010年(平成22)には日本で初めて開催(第42回東京大会)され、68の国と地域から267人の選手が集まった。成績優秀者から順に、上位の約1割に金、約2割に銀、約3割に銅のメダルが授与される。

 試験の内容は、原子化学結合物理化学無機化学有機化学など13分野に及び、筆記実技が行われる。筆記試験は60点満点、実技試験は40点満点で、その合計で選手の順位が決められる。

 日本では、国際的に通用する化学者の養成を目的に開催される化学グランプリの参加者および、公益財団法人日本化学会の支部から推薦された生徒20名ほどのなかから、国際化学オリンピックの代表生徒を決定する。化学グランプリは、日本化学会などが1998年(平成10)に試験的に始めた大会で、その後、国際大会の代表選考を兼ねるものとなった。2011年までは全国高校化学グランプリとして行われ、2012年から化学グランプリに名称を変更して開催されている。

[編集部]

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