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国際様式 こくさいようしきInternational Style

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国際様式
こくさいようしき
International Style

1930年代および 1940年代の近代建築における主導的建築様式および建築思想。インターナショナル・スタイルともいう。 1932年にヘンリー=ラッセル・ヒッチコックとフィリップ・ジョンソンが同名の著作により命名した。非対称的な平面,立方体・直方体の組み合わせによる構成,装飾の徹底的排除,大きなガラス窓,水平および垂直の連続窓,白色の壁などを特色とする。その背景にある思想は,工学技術,産業,交通の発展により,近代社会は,風土や歴史的条件をこえて,技術産業社会となって相互に接近していくから,建築もまた,万国に共通した様式と工法をもつべきであるというもので,ワルター・グロピウスの率いるバウハウスの建築や,ル・コルビュジエの作品がその模範とされた。幾何学的な構成や白い平坦な壁面が特色となったのも,抽象絵画の影響のほかに,過去との断絶を強調し,歴史や国境のない抽象的な世界を理想としたためであった。一般にこうした傾向は社会主義的な理想に燃える建築家に支持され,運動は国際近代建築 International Modernあるいは近代運動 Modern Movementと呼ばれ,ヒッチコックとジョンソンは「様式」と名づけることによってイデオロギーを排除した。この傾向は 20世紀前半には運動として確立された。しかし,第2次世界大戦後,実際に世界の交流が密接になると,むしろ各国独自の風土や伝統の魅力が強く意識され,また実現された高度な産業社会や社会主義に対する幻滅が深まって,1960年代以降,国際様式を理想とする風潮は変化した。その後は,歴史的モチーフを用いて文化的伝統を示したり,技術的な表現を重視するハイテクと呼ばれる傾向が現れた。 1960年代末には,ポスト・モダン (→ポスト・モダン建築 ) の傾向に大きく変質した。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

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